マスクと上手につき合う

風邪やインフルエンザの流行に、花粉症。
この時期、手放せないのがマスクだ。
ただ、種類が多すぎてどれを選んでいいかわからないという人も少なくない。「うっとうしい」「化粧が落ちる」などと敬遠する人も。
選び方から正しい着用法、意外な活用法は――。

マスクには様々な種類がある。
どんな時にどんなタイプを使うのが適しているのか。

 ◇       ◇

マスクには主に、一般マスク、機能性マスク、防じんマスクの3タイプある。
風邪予防には不織布でできた使い捨ての一般マスクで十分だが、インフルエンザやノロウイルス、花粉症が流行しているときは、ウイルスや花粉対策用の機能性マスクを使ったほうがよい。
新型インフルエンザが流行したような場合は、ウイルスを通さない防じんマスクが向く。

マスク選びを間違えると、使いづらさに悩むことになる。
話がしづらいようであれば、平らな形のものより立体構造タイプを選ぼう。
耳が痛くなる場合は軟らかいゴム、丸い形状のゴムが付いたものを選ぶといい。
耳ゴムのない特殊粘着タイプもお勧め。

眼鏡が曇るなら、鼻当てワイヤ付きがいい。
「日常的に使う予防用マスクは使い捨てにしたくない」という人は洗って陰干しできるタイプやガーゼマスクを使う手もある。(サイズ選びや着用方 = 図)

女性にとって気になるのがメークだ。
ノーメークでは老けて見えるのでしっかりアイメークを。
眉は太めに描くと元気な印象に。
鼻から下も化粧するならメークが落ちにくいタイプのマスクを選ぶといい。
メーク前に顔に合わせてマスクを成形し、鼻や肌を圧迫しないよう整えてヒダを伸ばしておくことも大切。

マスク着用のマナーにも気をつけたい。
マスクはお互いの健康を守るうえで不可欠。
敬遠せず、受け入れ合いたい。
ただ、人と接するときは『マスクをしたままで失礼いたします』と一言添える配慮を」と話す。

このとき、「ひどい風邪をひいているので」など、相手に不安感を与える説明は不要だ。
かわりに「喉を痛めていまして」などと話すと無難だろう。
接客業の人は「マスクをつけたまま○○させていただいてよろしいでしょうか?」と疑問文で声をかけると、よりソフトな印象になる。

目上の人に会う時は、予防のために着けているなら外すのがマナー。
風邪などをひいているなら丁寧にことわり、深く一礼を。
周囲に不快感を与えない心配りも大切だ。
お茶を飲むときマスクを外す場合は、新しいものに着け替えると不潔感を与えない。

 ◇       ◇

マスクといえば、「うっとうしい」と敬遠されがちだが、前向きに活用する方法もある。
紫外線を遮断し、肌や喉の乾燥を防ぐうえでも効果的。
ついでにマスクで隠れる部分をお手入れし、“養生”する。
マスクでパックをするつもりで美容液やリップクリームを多めになじませておく。

「目力」を鍛えることもできる。
ある研修指導者は企業の接遇研修のときマスクを利用する。
マスクで口元を隠し、目の表情だけで『笑顔』を表現する。
思いを込め、顔の筋肉を動かさなければ魅力的な目の表情は生まれない。
鏡でチェックしながら練習させる。

マスク着用中はとかく無表情になりがちだが、口元が隠れていることを逆手にとり、このようなトレーニングをするのも一手だろう。

ますます身近になっているマスク。
基本をおさえたうえで自分流に活用しても楽しい。   (ライター 西川 敦子)

[日経プラスワン2012年1月21日付

<私的コメント>
昨日の
「花粉症、今年は放射性物質の付着も心配…」
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2012/01/24
に引き続き「マスク」の話題をとりあげました。
今回の内容は、女性にしか分からないような美容の話も多く、私にとってはやや「難解」でした。


出典 日経新聞・朝刊 (日経プラスワン) 2012.1.21
版権 日経新聞


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