しかし、半年たっても眠れない。
主治医は鎮静作用の強い睡眠薬や効き目が長い睡眠導入薬を順次追加。
薬は11種類に増えた。
そのころから、話しかけられても反応が鈍くなった。
診察に同席した妻が「そんなにたくさん飲んで副作用はないんですか」と尋ねたが、医師は「大丈夫」というだけだった。
主治医は鎮静作用の強い睡眠薬や効き目が長い睡眠導入薬を順次追加。
薬は11種類に増えた。
そのころから、話しかけられても反応が鈍くなった。
診察に同席した妻が「そんなにたくさん飲んで副作用はないんですか」と尋ねたが、医師は「大丈夫」というだけだった。
休職を迫られた男性は失望し、休むと同時に薬を中断。
翌日から幻覚、幻聴が始まった。
脳に働く薬は、急にやめると反動で副作用が強く出て危険なことがある。
翌日から幻覚、幻聴が始まった。
脳に働く薬は、急にやめると反動で副作用が強く出て危険なことがある。
妻の強い勧めで、知人の医師にセカンドオピニオンを求めた。
精神科医ではなかったが、「専門外の自分がみても、処方されている薬が多すぎる」。
大学病院でも「入院して、慎重に様子をみながら使う薬の量だ」と言われた。
精神科医ではなかったが、「専門外の自分がみても、処方されている薬が多すぎる」。
大学病院でも「入院して、慎重に様子をみながら使う薬の量だ」と言われた。
●おざなり問診、要注意
精神科でも、主治医以外の意見を求めたほうがいいケースがある。
まずは、初診で同じ系統の薬が二つ以上処方された場合だ。
精神科でも、主治医以外の意見を求めたほうがいいケースがある。
まずは、初診で同じ系統の薬が二つ以上処方された場合だ。
心の病気は、検査数値で診断したり、薬の効きめを評価したりするのが難しい。
しかも、使うのは脳に直接働くデリケートな薬だ。
同じ作用の薬なら最初は1剤から様子をみるのが一般的。
しかも、使うのは脳に直接働くデリケートな薬だ。
同じ作用の薬なら最初は1剤から様子をみるのが一般的。
同じタイプの抗うつ薬や睡眠導入薬を最初から重ねて処方されたら、説明を求めた方がいい。
医師に聞きづらいときは、薬剤師に「同じ系統の薬はあるか」と尋ねたり、似た効能の薬が複数あれば「効き方がどう違うのか」と確認したりするとよい。
医師に聞きづらいときは、薬剤師に「同じ系統の薬はあるか」と尋ねたり、似た効能の薬が複数あれば「効き方がどう違うのか」と確認したりするとよい。
治療が長く続くと、主治医の判断で、同系統の薬を重ねることはある。
だが、「具合が悪いと訴えるたびに薬が増える」というときは、複数の医師の意見を聞いてもいい。
だが、「具合が悪いと訴えるたびに薬が増える」というときは、複数の医師の意見を聞いてもいい。
やはり初診で、「薬を飲んで休めば治る」と言い切られたときも要注意。
精神科では、家族の見守りや生活環境を整えることも治療の一環だ。
そこを省略して、『薬で治る』と言われたら、気をつける必要がある。
そこを省略して、『薬で治る』と言われたら、気をつける必要がある。
初診時に生活習慣や性格に関する問診も無く、簡易なチェック形式の問診だけで、短時間で「うつ病」と診断された場合もそうだ。
「ほかの病気の可能性を除外することが大切。発達障害や認知症によるうつ状態なのに純粋なうつ病と診断され、効果が期待できない抗うつ薬を飲んでいる人も見受けられる」と日本精神神経学会薬事委員会委員長の三國雅彦群馬大教授はいう。
保健所で、嘱託の精神科医につないでもらう方法もある。
神奈川県相模原市は2010年度から毎月1回、市の精神保健福祉センターで精神科医による窓口を無料で開いている。
半年間で申し込みは32件。
予約に至らない問い合わせも多く、同市は来年度も続けるという。 (権敬淑)
半年間で申し込みは32件。
予約に至らない問い合わせも多く、同市は来年度も続けるという。 (権敬淑)
<私的コメント>
こういった問題は、以前からTVなどの報道でもとりあげられています。
他の診療科目で、「乱診乱療」がクローズアップされることは稀です。
私も、抗うつ剤を数種類服用している患者さんを時々みかけます。
そして一般的に精神科の先生は、内科医からみて概して思い切った(大胆な)処方内容(種類や量)が目立ちます。
精神科の病気は「くすりで治す」、ないしは「くすりで治る」という一種の「幻想」を持っているがごとしです。
では、患者さんはどのように対処すればいいのでしょうか。
多くの精神科の先生は「専門医」の資格を持っている筈です。
少なくとも「専門医」や「博士号」を持っている先生を選んで、その中で「相性のいい先生」が見つかるまでドクターショッピングをしてもいいかも知れません。
これは、精神科に限った話ではありません。
しかし、そういった贅沢は大きな街に住んでいる方にしか出来ません。
何故そういったお話をするかというと、精神科の先生の中には、開業前に若干の研鑽を積んで(他の診療科から)転向される方もみえるからです。
皮膚科などでも、そういった「お気軽開業」の先生がみえます。
余分な話ですが、診療科目が「内科・泌尿器科」ならもともと泌尿器科専門、「内科・外科」なら外科専門、「内科・皮膚科」なら皮膚科専門の先生が内科「も」標榜しているのです。
私はこういった先生は「お気軽内科医」と心の中で言っています。
専門医制度はそういったためにもあるのです。
繰り返しになりますが、少なくとも「精神科専門医」(現在、全国で約1万5000人)にかかることが最低条件と思います。
こういった問題は、以前からTVなどの報道でもとりあげられています。
他の診療科目で、「乱診乱療」がクローズアップされることは稀です。
私も、抗うつ剤を数種類服用している患者さんを時々みかけます。
そして一般的に精神科の先生は、内科医からみて概して思い切った(大胆な)処方内容(種類や量)が目立ちます。
精神科の病気は「くすりで治す」、ないしは「くすりで治る」という一種の「幻想」を持っているがごとしです。
では、患者さんはどのように対処すればいいのでしょうか。
多くの精神科の先生は「専門医」の資格を持っている筈です。
少なくとも「専門医」や「博士号」を持っている先生を選んで、その中で「相性のいい先生」が見つかるまでドクターショッピングをしてもいいかも知れません。
これは、精神科に限った話ではありません。
しかし、そういった贅沢は大きな街に住んでいる方にしか出来ません。
何故そういったお話をするかというと、精神科の先生の中には、開業前に若干の研鑽を積んで(他の診療科から)転向される方もみえるからです。
皮膚科などでも、そういった「お気軽開業」の先生がみえます。
余分な話ですが、診療科目が「内科・泌尿器科」ならもともと泌尿器科専門、「内科・外科」なら外科専門、「内科・皮膚科」なら皮膚科専門の先生が内科「も」標榜しているのです。
私はこういった先生は「お気軽内科医」と心の中で言っています。
専門医制度はそういったためにもあるのです。
繰り返しになりますが、少なくとも「精神科専門医」(現在、全国で約1万5000人)にかかることが最低条件と思います。