骨粗しょう症(5)Q&A 中高年女性は検査を

骨粗しょう症についての、骨粗鬆症財団・折茂肇理事長へのインタビュー記事です。

――骨粗しょう症とは、どんな病気ですか。
「骨がもろくなって骨折する危険が高まる病気です。推計患者数は1280万人で、女性が男性の3倍以上多いのが特徴です。腰痛など、自覚症状がないまま進行するので、『沈黙の疾患』と呼ばれています」

――どのような原因で起きるのですか。
「骨は絶えず、古い組織を壊し、新しい組織を作っています。加齢などにより、このバランスが崩れると骨はもろくなります」 

「骨は、コラーゲンというたんぱくに、カルシウムやリンなどが沈着して作られています。カルシウムの量が『骨密度』、コラーゲンの状態の良しあしなどが『骨質』で、どちらが低下しても骨は弱くなります。骨の強さは70%が骨密度、30%が骨質で決まると考えられています」

――診断はどのようにするのですか。
「背中や太ももの骨の骨密度が若年成人(20~44歳)の平均値の70%未満だと、骨粗しょう症と診断します。70%以上あっても、弱い力が加わっただけで骨折した場合は、診断します」

「骨折がなくても、骨密度が70%以上80%未満と骨量の減少が見られる場合、骨粗しょう症により太ももの骨を骨折した家族がいるか、この先10年間の骨折リスクが15%以上と判定されると、薬物治療を始めます」

――治療薬について教えてください。
「骨が弱くなって骨折したり、骨密度が低くなったりした場合、主に骨の組織が壊されるのを抑える『ビスホスホネート製剤』を服薬します。
閉経後の女性で、年齢が比較的若い場合は、同様の作用がある『SERM(サーム)製剤』を使います」

「それでも骨折を繰り返すのであれば、骨の形成を促す新薬『テリパラチド』という注射薬を使用します」

「カルシウムの吸収をよくする『活性型ビタミンD3』、骨量の改善や骨折の抑制が期待できる『ビタミンK2』といった薬を使うこともあります」

――治療中に気をつけることはありますか。
「転んで骨折しないようにすることが大切です。すでに骨折をしている場合は、再び骨折しやすく、より注意が必要です」

「国内では骨粗しょう症と診断されても、きちんと治療している人は20%程度しかいません。治療は中断しないでください」

――予防法は。
「若い頃から、カルシウムを多く含む乳製品や小魚、野菜を多く摂取し、しっかり運動することが大切です」

「中高年である50歳以上の女性の約3分の1は骨粗しょう症と言われています。骨粗鬆症財団のホームページに、骨粗しょう症の診療を行う医療機関を掲載しています。こうした医療機関などで、一度、骨密度を測ってみてください」(利根川昌紀)


出典 読売新聞 2012.4.23
版権 読売新聞社


イメージ 1


2012.5.27 17:54撮影

昨日、我が子夫婦が健康維持のためにと自転車をプレゼントしてくれました。
オナカがつかえて苦しいのと、オシリに振動が伝わって乗り心地はよくないのですがスピードが出ます。
早速近くの公園まで出かけました。



読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。

他に
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログ)
「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
http://harrison-cecil-lobe.blog.so-net.ne.jp/
(「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログ)
「葦の髄」メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版)
があります。