低体温症

ついこの前まで熱中症の話題が多かったのが低体温症の記事が出るようになりました。
季節の移ろいをは早いですね。

低体温症、屋内こそ注意 屋外の3倍、8割が60歳以上

■冬場、重い低体温症で病院に運ばれる人は、屋外より屋内での発症が3倍も多いことが日本救急医学会の調査で分かった。
低体温症の全国的な実態調査は初めて。
発症者の8割近くが60歳以上。
脳卒中の後遺症や糖尿病などで温度感覚が鈍っている場合は、屋内でも低体温症になりやすいという。
 
■低体温症は、通常約37度に保たれている体の中心の体温が35度以下になった状態。
体温が下がって血液の循環が鈍り、脳に回らなくなって意識を失い、死亡することもある。
 
■60歳までの世代では泥酔や事故など外因による発症が主だが、60歳以上になると脳卒中の後遺症や糖尿病など持病が原因となったケースが多い。
脳卒中の後遺症や重度の糖尿病は、末梢神経の働きが弱るため温度感覚が鈍くなりやすい。
判断力が低下し、屋内を適温に出来ず症状が悪化するという。
認知症で暖房器具の操作ができず屋内で低体温症になった患者もいた。

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出典 朝日新聞・デジタル 2013.6.15
版権 朝日新聞社

<私的コメント>
屋外より屋内での発症が多いというのは意外な結果です。
高齢者の低体温症を未然に防ぐには、家族や周囲の人が早めに気を配ることが大切、というわけです。




《低体温症》 登山だけでなく、日常生活でも

■登山中の体温症は、気付いた時には、だいぶ症状が進んでしまっている。
低体温症という言葉は知っていても、自分を『低体温症かも?』とは認識しづらい。

■軽度なら自律神経の働きで持ち直すが、重度の場合や自律神経の働きが鈍っているときはどんどん熱が奪われる。

■重い場合の症状は人それぞれだ。
遭難事故では「まっすぐ歩けずうろうろする」「奇声を発する」「着ている服を脱ぐ」など異常行動の報告もある。
脳に酸素が回らず判断力が低下し、けがや遭難をしてしまう。

■悪化を防ぐには、軽度の段階で対処することが大切だ。
特に、雨や汗で濡れると熱が奪われやすい。
体の異変に気付いたら濡れた衣服を着替え、雨風を避けた場所で休憩をとる。
チョコレートなどカロリーの高いものを食べて、体温の回復を待つ。
お湯が沸かせる場合が、空のペットボトルで簡易湯たんぽにする。

■体の震えが止まり、意識がなくなると自己回復は困難。
周囲に人がいる場合には救急車を呼ぶ。

■日本の山は湿気が多く、衣服が湿り低体温が起こりやすい。
春夏秋はかえって冬よりも甘く見がちとなる。

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出典 朝日新聞・夕刊 2013.69.30
版権 朝日新聞社