肺MAC症

結核菌に似たMACという菌の感染症が増えている。
肺MAC症といい、せきや喀血など症状も結核に似ているが、人から人へはうつらない。
5年前に治療薬が公的医療保険の適用になった。
だが、医療従事者でも十分な知識があるとはまだまだ言えない状況だ。

増える肺MAC症 結核に似た感染症、せきや喀血症状

■肺MAC症は進行がとても遅い。治療をしない場合、結核なら約2年で肺に空洞ができるが、肺MAC症では、空洞が出来るまで10年近くかかるという。
しかし、放置すると進行する。

■中高年女性に多いという特徴がある。

■過労は悪化の原因となる。

■風邪などで悪化することがあるので、日頃のこまめな手洗いや、冬場のマスク着用やインフルエンザの予防接種などの注意が必要。

■治療の中心は抗生剤を使用する化学療法。
昨年(平成24年)、日本結核病学会と日本呼吸器学会が出した見解では、基本となる飲み薬3剤を併用し、必要に応じて注射薬を加える、となっている。
それぞれの薬には特有の副作用がある。
個人差も大きい。見極めるため、通常は1剤から始め、徐々に追加する、

■残念ながら根治薬はなく、既存の薬も効きはよくない。
再発や再感染も起きやすい。
菌が出なくなった後も数年間は飲み続ける必要がある。
そのため、(空洞を取り除いて菌量を減らして薬効を高めるために)手術を併用することもある。
年齢によっても治療方針は変わる。


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<関連サイト>
女性に急増、肺MAC症 感染源は特定できず
http://qq.kumanichi.com/medical/2008/11/post-169.php

[PDF] 肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解―2012年改訂
http://www.kekkaku.gr.jp/commit/ntm/201202.pdf

MAC症に対する化学療法
http://pulmonary.exblog.jp/17846876/


肺非結核性抗酸菌症(肺非定型抗酸菌症)
http://www.jrs.or.jp/home/modules/citizen/index.php?content_id=7



<診察椅子>
昨日、当院にA型インフルエンザの方が2人来院されました。
今シーズンでは初めてのインフルエンザ患者さんです。

インフルエンザは38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身の症状が突然表れるのが特徴です。
具合が悪ければ早めに受診し、十分な水分と、睡眠を確保することが最も大切です。
主な治療薬は、タミフルリレンザラピアクタ▽イナビル--の4種類。
発症から48時間以内に服用・投与を始めれば、発熱期間が1~2日短縮されます。