増える肺MAC症

結核菌に似たMACという菌の感染症が増えています。
MAC症という病気です。
咳や喀血など症状は結核に似ています。
しかし、他人への感染はありません。
5年前に治療薬が公的医療保険の適応になりました。
しかし、十分認知されているとは言えない病気です。

増える肺MAC症 結核に似た感染症、せきや喀血症状

進行遅く、治療長引く
■肺MAC症は進行がとても遅い。
結核なら約2年で肺に空洞ができるが、肺MAC症では10年近くかかる。

■しかし、放置すれば徐徐にではあるが進行する。

■治療の主体は抗生剤を中心とした科学療法だ。

■昨年(2013年)、日本結核病学会と日本呼吸器学会が出した見解では、基本となる内服薬3剤を併用し、必要に応じて注射薬を加えることになっている。

■各薬剤には特有の副作用がある。
個人差も大きい。
副作用を見極めるために、通常は1剤から始め、徐徐に追加する。

■残念ながら根治薬はなく、既存の薬剤の効果も余りよくない。
再発や再感染も起きやすい。

■菌が出なくなった後も数年間は飲み続ける必要がある。

■場合によっては、手術を併用することがある。
菌量を減らし、少しでも薬を効きやすくするのが目的だ。

■また、年齢によって治療方針が変わる。
50歳未満なら、手術を積極的に考慮する施設もある。
逆に、80歳に近いなら化学療法だけでも平均寿命まで肺を保てる見込みが強い。

■中高年女性に多いという特徴がある。

■過労は悪化の大きな要因のため、活動量を3割減らす工夫をする。

■風邪予防にも留意する。
また、しっかり食べて、ぐっすり眠る。



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出典 朝日新聞•朝刊 2013.12.17
版権 朝日新聞社