人間ドック学会の新基準値公表

男性の中性脂肪、高くても「健康」 人間ドック学会など新基準値公表

■人間ドックの血液検査で「健康」の基準とされる値について、日本人間ドック学会などが作る専門家委員会(委員長・渡辺清明慶応大名誉教授)は2014年4月4日、現在の基準より緩い新たな基準値を発表した。
男性の中性脂肪や男女のLDL(悪玉)コレステロールの上限を大幅に緩和。
ただ、基準値をいくつに設定するかは人間ドックの実施施設に任せられており、新たな基準値がどの程度浸透するかは不透明。

■新たな基準値では、150未満が良いとされてきた男性の中性脂肪は198以下に。
120未満が良いとされてきた悪玉コレステロールは、男性178以下、女性は年齢を3段階に分け、高齢女性で190以下となった。
糖尿病など病気を持つ人には適用されない。
新たな基準値で将来的に健康を維持できるかについてはさらに検討が必要と渡辺氏はいう。

■人間ドックや企業の健康診断では通常、血液中の白血球数やコレステロール中性脂肪などの値について、基準値の範囲内に入るかどうかを判定している。
基準値は各施設が独自で決めたり、同学会が公表している判別値を使ったりしており、統一されていない。

■委員会はこうした施設ごとのばらつきをなくそうと、平成23年に人間ドックを受けた150万人の中から、重大な既往歴がなく薬物治療や喫煙をしていない健康な成人約1万人を抽出してデータを分析。
その結果、これまでの範囲を超える値でも健康を維持している人が多くいることが分かり、基準を見直した。

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