大人の扁平足

足の土踏まずがない「扁平足」。
子どものころからの扁平足ならトラブルは少ないですが、中年以降になった場合は、強い痛みに悩むことになります。
特に40~50代の女性に多く、進行すると足全体に痛みが広がるので、早めの受診が必要です。
初期には他の病気と見分けがつきにくいため専門医への受診が大切となります。

大人の扁平足 痛みを伴い、歩行困難にも

■大人になってからの扁平足は、後脛骨筋の働きが衰える「後脛骨筋腱機能不全」が原因のほとんどを占める。

■後脛骨筋はひもを束ねたロープのようなつくりになっている。
足裏の土踏まずを引っ張り上げ、「アーチ」と呼ばれるかたちを保つ役割を果たす。

■後頸骨筋はよく使われるわりに構造上傷つきやすく、かつ修復しにくいという条件が重なっている。

■後頸骨筋はふくらはぎの中を下に向かい、内くるぶしのあたりで、足裏の方向へほぼ直角に向きを変える。この直角の部分がこすれやすい。
そのため、炎症を起こすことが多く、その上、血行が悪いので治りにくい。

■この後頸骨筋が伸びたり切れたりすると、足裏の「アーチ」が支えられなくなり、扁平足が進む。

■症状は3段階に分かれる。
初期
・扁平足は目立たないが、後頸骨筋の炎症で内くるぶしのあたりが腫れたり痛んだりする。
消炎鎮痛剤を飲みながら、炎症がおさまるまで安静にしたり、足裏の「アーチ」を支える中敷きを靴に入れて履いたりして悪化を防ぐ。

中期
・足の裏がべったりと平になり、かかとが外を向く「外反」の状態になる。
後ろから足を見ると、ハの字に曲がるなど、足全体の変形が目立ってくる。
片足のつま先立ちが難しくなる。
この段階になると手術も必要になる。
・この段階の手術方法は二つある。
一つは近くを通る別の腱を移し替え、土踏まずを支える。
もう一つは外側に向いてしまったかかとの骨を切って内側にずらし、足の形を立て直すやり方で、「骨切り」と呼ばれる。
・両方の手術を同時に行なうのが一般的だ。

末期
・足の変形が進んで関節にも影響を及ぼし、歩くのがつらくなる。
手術でかかとの骨とその隣の立方骨の間に、別の部分の骨を入れて足の形を固定するが、本来あった弾力や動きは失われてしまう。

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出典 朝日新聞・朝刊 2014.4.21 ( 一部改変 )
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                 庭先の草花 2014.4.20 撮影