3分で8割減! 肝臓がん撲滅SP

3分で8割減! 肝臓がん撲滅SP

■数あるがんの中で、年間の死亡者数が第4位という「肝臓がん」は、自覚症状がないまま肝臓が侵されてしまい、やがて死に至るがん。
肝臓だから、アルコールが一番の原因かと思いきや、じつはわずか5%ほどで、ほとんどの原因は肝炎ウイルス。
この肝炎ウイルスが原因の肝臓がんは、なんとたった3分、ある簡単なことをするだけで、8割なくせることが可能になった。

肝臓がんの原因の多くはお酒じゃなくてウイルス!
■肝臓に侵入したB型肝炎ウイルスは、何かの拍子で肝細胞をがん化してしまうため、いつがんになるのか、予測することができない。
つまり、一度感染したら、常に気をつけていないといけない。
肝炎ウイルスは、輸血(血液製剤)や予防接種などが感染経路になる。
それ以外で、B型肝炎ウイルスに感染する感染経路は、「母親」。
実は、B型肝炎ウイルスの多くは、出産時に母親からうつるといわれている。
出産時、子宮内で出血した血液の中にウイルスがいると、その血液が胎盤から赤ちゃんの体内に侵入する。
また、産道にも母親の血液が付着するため、それも原因と考えられている。

■母親がB型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、1986年から出産時に必ず検査するようになった。
母親が感染していれば、赤ちゃんにすぐワクチンを打つため感染は防ぐことができるようになった。
そのため、母子感染の可能性が高いのは(2014年時点で)29歳以上の人ということになる。

■また、ウイルスによる肝臓がんの原因は、B型だけではなく、C型もある。
実は肝臓がんの原因のうちC型がおよそ65%も占めている。
C型肝炎ウイルスもB型と同様、血液で感染するため、輸血や注射器の使い回しなどが感染経路になる。
ただし、B型のように母親からうつるケースはまれだと考えられている。

■現在は、輸血も精密な検査をしていて、予防接種の注射器の使い回しもなく、たとえ大人になってから感染しても、通常は免疫力でウイルスをほぼ退治できる。
つまり、いま感染している人のがんを予防することができれば、理論上は肝臓がんはほぼ8割は撲滅することができることになる。

肝炎ウイルス検査は最寄りの病院で採血するだけ!
■肝炎ウイルス検査は、保健所だけでなく、最寄りの病院でも受けることができる。
人口10万人以上の都市のうちおよそ300か所を調べた結果では、9割の地域で病院でも検査を受けられることが判明した。
また、そのうちの7割が無料だった。
検査について詳しく知りたい場合は、現在住んでいる市区町村の役所や保健所などに問い合わせるとよい。
感染しているかどうかは、肝炎ウイルス検査でしかわからない。
肝炎ウイルス検査は、保健所で受けることができますが、じつは、ほかにもいい方法があるんです。

劇的進歩!肝炎ウイルス治療の最前線
■近年、肝炎ウイルス治療に劇的な変化が起こっている。
治療法には、免疫力を高めて肝臓内のウイルスを排除する「インターフェロン治療」がある。
現在はインターフェロンと飲み薬の併用で9割の患者のウイルスを完全に排除することができるようになった。
さらに、インターフェロンが効きにくい場合でも、2つの新薬を飲むことで85%の患者さんのウイルスを排除できる。
B型の場合は、ウイルスを完全に排除することはできないが、肝臓の状態をコントロールすることが可能だ。
ウイルスの増殖を防ぐ核酸アナログという薬の新しいタイプが登場したため、治療の幅が広がった。
副作用も少なく、患者さんのウイルスを活動させないようにすることができる。
このように治療薬の進歩によって、7~8割の肝臓がんを予防できる時代になってきた。

私的コメント;
タイトルの「3分」は、ウイルス検査のための採血時間ということです。