手のしびれ

《手のしびれ》 手や首に負担、神経圧迫のサイン

パソコンやスマートフォンを長時間使う現代の生活スタイルは、手や首に大きな負担をかけています。
手のしびれで悩んでいる人は多く、整形外科を受診する患者の2、3割がしびれを訴えると話す専門医もいます。
手のしびれは、体のどこかで神経が圧迫されているサインです.

    
・手首に原因がある病気の代表格は手根管症候群
骨折や妊娠によるむくみ、手の使いすぎなどによる靱帯の炎症で、手首を通る神経の通り道が狭くなって起きる。
症状は親指から薬指の内側までで、小指には出ない。
安静が治療の基本。
夜に手首を動かさないような装具をつけて様子を見る。神経の通り道にある靱帯を手術で切って、圧迫を解消することもある。
 
・手のしびれは、首で神経が圧迫されても起こる。
骨と骨をつなぐクッションの椎間板)がつぶれると、神経の通り道が狭くなる。
圧迫されるのが脊髄なら脊髄症に、脊髄から枝分かれした神経(神経根)なら神経根症になる。
脊髄症は、両手足にしびれや痛み、脱力などの症状が出ることが多い。
圧迫が強い場合は、症状が軽くても、脊髄の通り道を広げる手術をする場合がある。
転倒などの軽い衝撃で脊髄損傷になって手足が麻痺する恐れがあるからだ。
神経根症は、首から手指にかけて症状が出る。
体の片側だけのことも多い。
少しあごをひいた姿勢で首への負担を減らし、安静にする。
装具で固定するのは2週間程度。
あまり長くなると、関節が硬くなり、筋力が落ちてしまう。
 
・潰れた椎間板が神経を圧迫する頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアという病気もある。
寝違えたような症状からしびれや痛みがひどくなるタイプでは、症状が落ち着いた後もしびれが残りやすい。
大半は痛み止めや装具を使った保存療法で改善し、手術が必要になることは少ない。

参考;
朝日新聞 2015.3.12