1日1個はリンゴを

ポリフェノールに注目 「1日1個のリンゴ」、やはり健康効果

■有名な英医学誌に一昨年(2013年)末、面白い論文が発表された。
英国の50歳以上(約2200万人)が対象。
コレステロールを下げる薬スタチンを飲んでいない人が新たに飲み始めた場合と、7割の人が1日1個のリンゴを食べた場合を仮定し、「心臓発作など血管の病気による死者数がどれほど減るか」をシミュレーションした。

■ともに効果は高かったが差はあまりなかった。
オックスフォード大のチームは、スタチン服用者は続けるべきだとしたうえで、「ことわざは現代的な薬と同等の効果を持ち、副作用も少なさそうだ」と結論づけた。
フィンランドやオランダなどで多数の住民を対象に行われた長期間の追跡調査でも、リンゴを多く食べる人は、がんや脳卒中、気管支ぜんそくなどのリスクが低いと報告されている。
 
■日本でも一大産地の青森県でリンゴと健康の関係が調べられている。
弘前市岩木地区の住民を対象にしたこれまでの調査では、1日1個以上を食べる人たちの血中の総コレステロール値は、そんなに食べない人たちと比べて有意に低かったという結果がみられたという。
 
■ではなぜ、健康にいいのか。
以前は血圧を下げる効果のあるカリウムや、血糖値の上昇を抑える食物繊維が注目されていた。
確かに含まれているが、際立った成分ではない。
そこで近年注目されているのがポリフェノール
赤ワインブームを引き起こした抗酸化成分だ。

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■切り口がやがて茶色になるのはポリフェノールが酸素に触れた結果だ。
全体の0・1~0・3%ほど含まれ、その中でも5~6割を占める特徴的な成分がプロシアニジン類。
茶の成分としても知られるカテキンが複数つながった構造をしている。
 
プロシアニジン類にはいろいろな健康効果が期待されている。
例えば脂肪が腸管に吸収されるのを邪魔して体外に排出されやすくする効果がある。
結果、コレステロール中性脂肪が増えるのを抑えてくれると考えられている。
ほかにもメラニン色素ができることを邪魔する効果が確認されていたりもするという。
美白につながるかもしれない。
ただし、一度にたくさん食べればいいというものではなさそうだ。



*リンゴの主成分 プロシアニジン類に期待される主な機能
•肥満予防
 •糖尿病予防
 •動脈硬化予防
 •アレルギー予防
 •美白•育毛
 •抗加齢抗がん作用
 •コレステロール中性脂肪低下作用
 •虫歯予防作用
 •消臭効果
 •白内障予防効果
 •メラニン生成抑制作用


<関連サイト>
プロシアニジン
http://kirei.ohana-batake.net/002_/ent168.html
プロシアニジンとは、カテキンがいくつか結合した構造をもち、きわめて強い抗酸化作用を示すポリフェノールです。リンゴに多く含まれているほか、ビワ、ブドウ、緑茶などにも含まれています。
プロシアニジンの抗がん作用は、発がんの抑制とアポトーシス(細胞死)の誘導であることが報告されています。