脳梗塞「心房細動」に注意

脳梗塞といえば、以前は高血圧から起こるものが多かった。
だが、血圧管理の意識が高まり、高血圧由来の脳梗塞は減っでいる。
にもかかわらず、脳梗塞自体は減っていない。
「心房細動」による脳梗塞が増えているからだ。
 
心房細動は不整脈の一つ。
一定のリズムで動くはずの心房が細かく不規則に拍動する。
その結果、心臓の中で血液がよどんで血の塊(血栓)ができやすくなり、それが血流に乗って脳の血管を詰まらせて脳梗塞を起こす。
 
こうした脳梗塞が増えている最大の原因は高齢化だ。
欧米では60歳代で2%、70歳代で5~6%、80康代では10%もの人が心房細動にかかるといわれている。
高血圧、糖尿病などの生活習慣病を持つ人も、心房細動になりやすい。
 
予防の第一は、年に1回は心電図をとること。
心房細動による脳梗塞は重症化しやすく、一方で無症状な人は多い。
脳梗塞で寝たきりに・・・」という事態を防ぐためにも、定期的な受診を心がけたい。
 (「高齢化で急増する、脳梗塞を起こす危険な『心房細動』」より)

日経新聞・夕刊 2015.6.11