睡眠と体脂肪

睡眠と体脂肪

最新研究で判明、長くよく眠るほど体脂肪はつかない

体脂肪は、日頃の活動量や食事の内容などの生活要因によって、増えたり減ったりすることが欧米を中心とした数多くの研究で明らかになっている。
体脂肪を増やさないための心得は意外と簡単だ。

【運動】
生活動作が多ければ体脂肪はつかない 有酸素運動と軽い筋トレの継続も効く
体脂肪をつけない生活の基本は、まず身体活動量を多く保つこと。
身体活動量とは、運動以外の生活動作全般のこと。
 
例えば1999年に発表された米国の研究。
太っていない人に1日1000キロカロリー余分にとらせ、体脂肪の増え方と身体活動量を8週間観察した。
その結果、身体活動量に10倍近い差が生じ、活動量を増やせた人ほど体脂肪の量が増えなかった。体脂肪をためない人は、活動量を上げることで過食を帳消しにできる人だという。
 
一方、肥満の人は同じ職場のやせた人より、座っている時間が1日平均2時間半多く、立ったり歩いたりする時間は平均2時間少ないという報告がある。
 
1000人あまりを28年間追跡し、活動量と体脂肪量との関係を調べた英国の研究でも、活動量が多い女性ほど体脂肪がつきにくかった。
 
運動は有酸素運動か、それに筋トレを加えるのがいいようだ。
2014年発表の研究で、高強度のインターバルトレーニングよりも有酸素運動のほうが体脂肪は落ちやすいことが確かめられている。
 
有酸素運動だけより筋トレを組み合わせたほうが効果が出やすいという報告もある。
2つの運動の相乗効果で代謝が向上し、主に内臓脂肪が落ちるので、メタボや心血管病の予防に推奨されるという。

【食事】
地中海食に豊富な食材が効く 腸内環境の改善もカギ
生活習慣病を防ぐ健康食として有名な「地中海食」を構成する食材を対象とした研究成果が相次ぎ報告されている。
 
例えば心血管病リスクの高い5800人あまりの食事とメタボ発症との関係を調べたスペインの研究。約5年間追跡した結果、オリーブオイルとナッツはどちらも腹部肥満のリスクを低下させることがわかった。
 
やはりスペインで行われた別の研究でも、ナッツを週2食以上とる女性は、腹囲が80センチ以上になるリスクが低いと報告されている。
 
オリーブオイルは脂質代謝に良い影響を与える一価不飽和脂肪酸やフラボノイド、ナッツは多価不飽和脂肪酸はじめ、食物繊維、ビタミン、ミネラル、植物ステロールなどを含む。
これらの総合的な作用と見られる。
 
さらに近年、ヨーグルトをよく食べる人はお腹に脂肪がつきにくいことがわかってきた。

カニズムとして考えられているのが乳酸菌、ビフィズス菌など「プロバイオティクス」と呼ばれる生菌による腸内環境改善作用だ。実際、マウスに脂肪食とともにプロバイオティクスを与えると腸内細菌叢(そう)が変化し、脂肪がたまりにくくなることが、数種の菌で確認されている。
 ヨーグルトをとるとダイエット効果が出やすくなる可能性を示すヒト試験もある。ただし、多くとりすぎるとカロリーオーバーになる。総カロリーを計算したうえで取り入れよう。


十分な睡眠やストレス対策で体脂肪減がスムーズに
ダイエットを成功に導く生活要因として、今注目されているのが睡眠とストレス対策だ。
と腸内細菌叢(そう)が変化し、脂肪がたまりにくくなることが、数種の菌で確認されている。
 
ヨーグルトをとるとダイエット効果が出やすくなる可能性を示すヒト試験もある。ただし、多くとりすぎるとカロリーオーバーになる。
総カロリーを計算したうえで取り入れよう。

睡眠不足は食欲を増すホルモンの分泌を増やす一方、満腹感を減らし、肥満を誘発する。
 
そこで、睡眠とダイエット効果を調べたのがカナダの研究。
同じダイエット食をとっても体脂肪の減り方には個人差があり、その差は睡眠と相関していた。
長くよく眠るほどやせやすいという。
 
女性はストレスがあると甘くて油っこいジャンクフードを食べる量が増えるという。
そこで、ギリシャのダイエット実験では、リラクゼーション法を導入。
筋肉にぐっと力を入れてから一気に緩めるリラクゼーション法「漸進的筋弛緩法」を8週間行った結果、減量幅が増えたという。
体脂肪をスムーズに落とすにはメンタルも重要らしい。
さっそく実践してみよう。