夜のドカ食い防ぐ「間食」

夜のドカ食い防ぐ「間食」、メタボ解消の新ルール?

夕食がいつも20時を過ぎる人は夕方の空腹感を抑える
食事でダイエットをするといえば、真っ先に「食事を減らす」と考える人は多いだろう。
単純に摂取カロリーを減らせば痩せられるとの考え方は、一面では正しい。
だが、日中はハードに働く人にとっては、ストイックな食事制限は現実的ではないし、むしろ向かない。

では、どんな方法が向くのだろう?

ズバリ「間食をとること」がお薦め。
言葉にすると拍子抜けするかもしれないが、16時~18時の小腹が空いてきた頃に合わせて、おにぎりやサンドイッチといった炭水化物の「間食」をとる。
毎晩の夕食が21時を過ぎるような人は、それまでに空腹感を強めておかないことがポイントだ。

1日の食事量は同じでも、夜が多いほど「太る」
ダイエットをするために「間食」をとるという、まさに痩せるための対極にあるかのような提案。
だが実際、こうした食事法はクリニックでも「分食」との目的で取り入れられており、ダイエット成功の実績を上げている。

肥満気味の40~50代男性に共通しているのが、「夕食のドカ食い」。
昼食から夕食までの時間が空きすぎるために、空腹が強まり、やっと食べられると思ってお腹いっぱいにしてしまう。
また、そうした状況になるほど、そしゃくが減って早食いになる。
これらの要因が食べ過ぎを習慣化してしまう。

この「夕食ドカ食い」パターンを避けなければ、メタボ腹はいつまでも解消しない。

成人男性の基礎代謝(寝ているだけでも消費するエネルギー量)は、平均すると1日1500kcal。
単純に24時間で割ると、1時間当たりに消費されるのは63kcal。
毎晩6時間の睡眠をとる人であれば、就寝中に消費するエネルギーは378kcal。
もしも夕食に1000kcalを超すような食事をして、その後、1時間前後で寝てしまうような生活スタイルであれば、就寝中に消費できるカロリーを大幅に上回る。
特に22時から深夜2時にかけては、「BMAL1(ビーマルワン)』というタンパク質の作用によって、脂肪を体にため込みやすいとされている。

さらに昨今、注目を集めている「時間栄養学」という分野では、マウスを使った実験で「朝食と夕食の比率」を変えて比較した結果、食事量は同じでも夕食の量が増えるほど肥満になりやすいことが分かっている。

マウスを使い「食事摂取の比率」と「体重の変化」の関係について、8週間比較した実験。
1日の食事量は同じとし、「朝食」と「夕食」で比率を変えた5群で比較した。
そのうちの1群は「自由に食べられる」ようにした。
結果、「朝食3:夕食1」の朝食多めの食事方法が、最も体重が増えなかった。

高カロリーなご飯類は夕方に食べておくのが理想
では実際、「間食」にはどんなものが向くのか。

空腹が長くなると、すぐに体のエネルギーにできる炭水化物などの『糖質』をたっぷり食べたくなるとされている。
これが高カロリーになる要因。
そこで、夕食で取る炭水化物を先取りして、『おにぎり』を選んでみる。
例えば、おにぎりはのりが付いたもので、具材は、昆布、梅、サケなどがいい。
ミネラルやビタミン、たんぱく質も補える。

さすがに仕事が佳境を迎える夕方に、“おにぎりパクパク”というのは周りに対しても気が引けるというならば、「おやつ」で上手に空腹をしのぐ方法を活用しよう。

空腹のあまり、やっと食べられる夕食で腹一杯になるまで……。
この繰り返しが、カロリー過多の原因になる。
小腹が空いてきた夕方に、間食を取り入れることで、上手に空腹がコントロールできる。

最適なのが、ナッツ類やフルーツ類などだ。
アーモンドやクルミには、食事で不足しがちなビタミンやミネラルが豊富なうえに、体にいい良質な脂質がとれる。
どちらも『素焼きした無塩ナッツ』がお薦めだ。
フルーツ類ならば、バナナかパイナップルがよい。
糖が体の疲れやイライラを癒してくれるうえに、ビタミン、ミネラル、さらに食物繊維もとれる。
 
なるほど、ナッツ類、フルーツ類ならば、コンビニでも手軽に買いやすい。
スナック菓子などと比べて、よく咀嚼するから、少量でも満足感が得られやすい。
体にいい栄養もとれる。

不足しがちなたんぱく質は酒のつまみで補給?
一方、甘いものが苦手な人や、もっと食べ応えがほしい人には、次のような間食も良い。

お酒のつまみのようですが、魚肉ソーセージやうずらのゆで卵などがお勧めだ。
忙しくて外食が多い人はどうしても立ち食いソバやラーメンといった麺類、カレーやカツ丼などの丼ものといった、炭水化物が中心の食事に偏りがち。
そこで、間食ついでにたんぱく質をしっかり補おう。
季節的には少し敬遠されがちだが、コンビニおでんにも、たまごや豆腐などがある。
また、良質なたんぱく質が含まれている豆乳などの大豆食品、牛乳やヨーグル、チーズといった乳製品でも小腹が満たせるはず。

このように、夕方の間食で空腹を抑えておくと、その後の夕食で「腹七分目」に抑えやすくなる利点もある。

最も注意したいのは、それまでの習慣に沿って、間食をとった後の夕食も、これまでと同じ量にしてしまうこと。
特に、間食で炭水化物をとったら、帰宅後の夕食では白米を抜く。
その代わりに野菜と肉、魚類といった『主菜』『副菜』で済ませる。
毎晩、お酒が欠かせない人にも向いている。
こうした『間食』と『夕食少な目』のリズムが上手くできてきたら、できれば朝食をしっかり取る習慣にシフトしていけるといい。
それだけでダイエット効果が高められる。






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  あわびステーキ 生涯で初めて食す。
  自宅での調理のため盛り合わせは極めて貧相。
  志摩観光ホテルで注文すると目の玉が飛び出るほどのお会計が待っている。
                  2015.7.4 撮影