小豆(あずき)のパワー

小豆、低脂肪で高たんぱく 大豆との違いは?

古くは縄文時代から食べられていた小豆は低脂肪で高たんぱく。
「ハレの日」や季節の節目に赤飯や小豆がゆを食べてきた伝統的な習慣に倣うのもいい。

日本豆類協会によると、豆類は大きく「炭水化物を多く含むグループ」と「脂質を多く含むグループ」に分かれる。
小豆は前者。
後者の代表には大豆がある。
日本食品標準成分表で、100グラムあたりの成分は乾燥小豆が炭水化物58.7グラム、たんぱく質20.3グラム、脂質2.2グラムに対し、乾燥大豆(黄大豆)はそれぞれ29.5グラム、33.8グラム、19.7グラム。
小豆は「健康維持やダイエットに最適な低脂肪・高たんぱく食品」(同協会)といえる。
 
ミネラルやビタミンも豊富で、100グラムあたり鉄が5.4ミリグラム、ビタミンB1が0.45ミリグラム、同B2が0.16ミリグラム。
鉄はレバー、ビタミンB群は豚肉などと同じぐらい含まれている。
 
小豆は、あんことして消費されることが多い。
生クリームなどを使った洋菓子に比べ、小豆はカロリーも控えめ。
間食で洋菓子を食べることが多い人は、和菓子に置きかえてみるのもよいだろう。
とはいえ、食べ過ぎはカロリー過多になるので注意が必要だ。
 
イソフラボンで知られるポリフェノール類が、小豆やあんこに含まれていることもわかってきた。

ある研究では、糖類を摂取させたマウスに、小豆の煮汁から抽出したポリフェノール類を与えたところ、与えない場合よりも血糖値の上昇を抑制できた。
別のマウス実験では腫瘍を抑える効果もみられたという。
 
人での効果はわからないが、煮汁100ミリリットル中のポリフェノール類は200~300ミリグラム。
赤ワインに匹敵するという。
小豆をゆでる際、一般的にはゆで汁を捨て渋みを取る煮こぼしをするが、積極的に摂取するには、渋みに注意が必要だが、煮こぼししない方がよい。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2019.1.14