ひどい寝汗

ひどい寝汗 体をふいて自律神経整えて

人は寝ている間に汗や呼吸などでコップ1~2杯くらいの水分を失うと言われている。
でも、大量の寝汗は病気が関係している場合もある。
 
過度なストレスやひどい寝不足は自律神経のバランスが崩れる原因となり、ひどい寝汗につながる可能性がある。
 
体温を調節している自律神経には、体を活動的にさせる交感神経と休ませる副交感神経とがある。
通常、眠りにつくと自律神経は交感神経から副交感神経に自然に切り替わり、体温を下げようとする。
ところが、疲れや興奮、緊張、不安があると、自律神経の切り替えがうまくいかず、体温が高いままとなり、大量の汗をかく原因になる。
 
自律神経の切り替えを促してやるためには、毎朝の「温布摩擦」がよい。
ぬらしたタオルを絞り、電子レンジで温め、胸元や首回り、わきの下、腕など汗をかきやすい場所をふいてやる。
朝起きた直後に皮膚を刺激することで、交感神経の活動を促す。
     
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昼間に脈拍が速い、眼球の奥が腫れる、などの症状があればバセドウ病の疑いがある。
甲状腺ホルモンの過剰分泌で起こる病気で、内科を受診する必要がある。
 
更年期障害も寝汗の原因の一つになる。
女性ホルモンの分泌が減ると代謝のバランスが崩れ、ほてりや動悸などが出て、汗をかきやすくなる。

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夏に多くなるのが、入浴後に体温が高いまま布団に入ってしまうケースだ。
風呂上がりにエアコンの利いた部屋に入ると皮膚の熱は引く。
しかし、体内にこもった熱は冷めていないので、布団に入った後も寝苦しく、体温を下げようと大量の汗が出る。
病気ではないのでちょっとした心がけで防げる。
それには1時間くらいかけ、扇風機やうちわを使ってゆっくりと体温を下げるのがポイント。
 
ふだんエアコンの利いた部屋にいることの多い人が寝汗に悩まされることがある。
昼間に汗をあまりかかないと、汗を出す汗腺の機能が低下して、大粒の汗をかきやすくなるためだ。
汗腺がきちんと働いている人は、小粒の汗をかく。
水分が蒸発しやすく、汗は気にならないが、大粒の汗は蒸発しにくく、体温も下げづらくなる。
 
汗腺の機能を活発にするには、半身浴やウォーキングが効果的だ。
何より継続が大事。
あわせて、クーラーの設定温度を少しずつ上げて体を慣らしていくのがよい。


その寝汗、何が原因?
① ⬜︎ 入浴後すぐ、クーラーの利いた部屋に入る
② ⬜︎ 就寝前にお酒を飲む
③ ⬜︎ 仕事や生活で普段からストレスを感じている
④ ⬜︎ 寝不足が続いている
⑤ ⬜︎ 日中、脈が速かったり眼球の奥が腫れたりしている
⑥ ⬜︎ 顔がほてり、動悸や息切れがする


①は涼しく感じても体の中心部の温度が下がりきっていない
状態になりやすくなります。少しずつクールダウンしてくださ
い。
②は飲酒すれば体温が上がるので、控えめに。
③、④は交感神経と副交感神経のバランスが崩れる原因となります。
バランスを整えるため、毎朝の湿布摩擦をお勧めします。ストレッチと組み合わせるとさらに効果的です。睡眠時間の理想は6~8時間です。
⑤の症状があればバセドウ病の可能性があるので内科を受診してください。
⑥は更年期障害が原因の可能性があります。


関連サイト
タケダ健康サイトの症状・疾患ナビ
http://takeda-kenko.jp/navi/


出典
朝日新聞・夕刊 2015.6.22(一部改変)