変形性膝関節症 ひざ痛にヒアルロン酸注射

ひざ痛にヒアルロン酸注射 治療推奨度上がる 変形性膝関節症

ひざの痛みに悩む高齢者が増えている。
変形性膝関節症などの病気が原因だ。
患者は推計で約800万人ともいわれる。
転倒の原因にもなるため、痛みがあれば早く治療を受けることが大切だ。
薬による治療のほか、運動、ひざの負担を軽くする生活の工夫でも、痛みは改善できる。

変形性膝関節症は、ひざ関節の軟骨がすり減ってひざ関節が変形し、衝撃を吸収する働きが弱くなって痛みが起きる。
高齢になるほど患者は増え、男性よりも女性に多い。
 
ひざ関節のなかには、もともとヒアルロン酸があるが、加齢とともに減る。
すると、関節をスムーズに動かす「潤滑油」の働きが落ちてしまう。
これをヒアルロン酸の注射で補う。
 
週1回の注射を5回続け、必要に応じて2~4週間に1回ほど注射して状態を維持する。
3年前には3回連続と、より少ない注射回数で効果がみられるタイプの薬も発売された。
 
日本整形外科学会は昨年、国際変形性関節症学会の指針をもとに、国内の治療指針をまとめた。
ヒアルロン酸注射は、国際学会の指針よりも推奨度を上げた。
進行した人に使われる米国などに比べ、日本では早い時期から使われることが多いなどの違いを考慮した。
症状が進んで軟骨のすり減りがひどくなると、注射で痛みを抑えるのが難しくなることが多い。
 
副作用として、注射した部位の痛みのほか、薬の種類によっては関節炎などの報告もある。

指針では、ストレッチや運動の重要性も指摘されている。
ストレッチにはひざの柔軟性を取り戻し、痛みを和らげる効果がある。
基本のストレッチとして、両足を伸ばした状態で座り、左右交互に太ももに力を入れていく動作がよい。
 
ひざへの負担も少なく安全で、5秒間を10回ずつ1セット。
朝晩にIセットずつでも続けるといい。
正座もストレッチ効果が高いが、痛みが強いとできない人もいるので、そういった場合には入浴中に浴槽の中でやるようにする。
 
ひざの痛みが和らいできたら、筋力を維持するため、ウオーキングやサイクリングなどの有酸素運動を行う。
体重は1キロ下がると、例えば階段の上り下りをしたときのひざへの負担は6~7キロ減る。
杖を使って正しい歩行姿勢を保つことも痛みの緩和に役立つ。
 
ストレッチなどの治療は、レントゲンでひざ軟骨のどこがどれほどすり減っているか確認してもらい、無理のないレベルから行う。
 
こうした治療法でも改善しなければひざの関節を人工関節に置き換えるなどの手術もある。
ただ、早い時期に適切な治療を受ければ、手術に至らずに生活の質を保って日常生活を送れる。年をとったから仕方がないとあきらめないことが大切だ。
 
出典
朝日新聞・朝刊 2015.12.10(一部改変)


<関連サイト>
「変形性膝関節症」
https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.htmlwww.joa.or.jp
・男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなる。
・原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与している。
 また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがある。
・予防(日常生活での注意点)
  ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。
  正座をさける。
  肥満であれば減量する。
  膝をクーラーなどで冷やさず、温めて血行を良くする。
  洋式トイレを使用する


変形性関節症
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/oa/
・現在のところ、コンドロイチンを含む一般用医薬品には、「変形性関節症」や「関節リウマチ」に効能・効果が認められたものはありません。
・また、グルコサミンやコンドロイチン、コラーゲンを含むサプリメントは日本では食品に分類されており 、病気に対する効果が科学的に確認された治療薬ではありません。一般用医薬品サプリメントは、こうしたことをよく理解したうえで使う必要があります。
・適度な運動は必要ですが、長時間歩き続けたり、繰り返し階段を昇り降りするような関節に強い負担がかかることは避けるようにしましょう。杖やサポーターなどを使って、関節への負担を軽くすることも大切です。また、肥満も変形性関節症を悪くする原因のひとつです。太り気味の方は、減量を心がけるようにしましょう。
・筋力の衰えを防ぎ、関節の動く範囲を拡げるためにも、変形性関節症の治療には運動が欠かせません。運動の効果はすぐに現れるわけではないので、自宅で出来る簡単な運動を毎日少しずつ続けていくことが大切です。ただし無理な運動はかえって病気の悪化にもつながるため、運動を行う場合は、まず医師に相談し、指導を受けるようにしよう。
・「変形性膝関節症や変形性股関節症の患者さんにお勧めの足上げ運動」
      
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・関節が冷えて血行が悪くなると、筋肉や腱がこわばって、関節の動きが悪くなったり、痛みが強くなった
りします。サポーターやカイロを使ったり、ゆっくり入浴したりして、関節を温めるようにしましょう。

変形性膝関節症 脚の軽運動で痛み緩和
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/39110453.html