変形性ひざ関節症

ひざの痛み、どう治す

ひざの痛みを抱える高齢者は少なくない。
多くの場合、ひざの軟骨がすり減って起こる「変形性ひざ関節症」が原因で、患者は推計800万人以上と言われる。
ひざを支える筋肉を鍛える運動療法が治療の中心だが、改善しない場合、手術が選択されることもある。

■太もも鍛え症状改善
変形性ひざ関節症は、年齢とともにひざの軟骨がすり減って炎症や痛みが起こる。
最初は立ち上がったり、動き出したりする時に、ひざがややこわばったように感じて、次第に痛みが強くなる。
ひざの内側に力がかかり、O脚に変形してくる。
 
太ももを鍛える運動療法を行って、ひざを支える太ももの筋肉を鍛えると、ひざへの負担が減り、痛みが改善するとともに軟骨の維持にもつながる。
この運動療法が治療の中心に位置づけられる。

人工関節も選択肢に
運動療法や薬で症状が改善しないと手術を検討する。
運動療法を始めた時に軟骨の厚さが3ミリ以上あった人は、4年後も9割以上が運動療法を続け、手術はしないで済み、1ミリ未満だった人の約7割は4年以内に手術を受けた、というデータがある。
つまり、軟骨が一定以上残っている早期に運動療法を始めるのがよいことがわかっている。
 
主な手術は「関節鏡視下手術」「高位脛骨(けいこつ)骨切り術」「人工ひざ関節置換術」の三つ。
痛みの程度や生活の不便さなどで術式を検討する。

関節鏡視下手術では、内視鏡でひざにある半月板の損傷部分を取り除く。
半月板の損傷が痛みの原因の場合に適用される。
 
骨切り術の場合、関節のそばにあるすねの骨(脛骨)をくさび形に切って、力がかかる方向を変える。
 
最終的な手段となるのが人工ひざ関節。
変形した骨の一部をけずり、金属やポリエチレンの部品に置き換える。
1回の手術でほぼ確実に痛みがとれるが、手術には、出血や感染症血栓の発生などのリスクもある。
麻酔が必要で、心臓病などの持病がある人は慎重に検討する。
 
費用は入院日数などで変わるが、医療費の3割負担で60万円前後。
高額療養費制度を利用すれば抑えられる。
 
手術後は腰に負担がかかって腰痛になる人が多いので、コルセットを使用した方がよい。
体全体が新しい足に慣れるまで、半年から1年は必要で、最初は転ばないように注意が必要だ。
痛みがなくても杖をついた方がよい。

人工関節にすると、正座は難しい。
スポーツはある程度は可能だが、人工関節に力がかかるジョギングやジャンプは避ける。足の筋肉を強化する運動は続ける。
 
15~20年たつと骨との接合部が緩んだり、材料がいたんだりして交換が必要になる人もいる。

生活の中で予防体操
予防のためには太ももの筋肉を鍛えることが重要だ。

ひざの痛みが原因で外出がおっくうになり、やがて介護が必要になる高齢者が多い。
体操を介護予防につなげたい。

一方、薬局にはグルコサミンなどの軟骨成分を含んだサプリメントも市販されている。
軟骨成分の摂取について、日本整形外科学会による変形性ひざ関節症のガイドラインでは、痛みなどの症状緩和に対しては「結論が一様ではない」とする。
つまり、服用した成分がどの程度、ひざまで届くのか、はっきりした根拠がまだない。



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出典
朝日新聞・朝刊 2016.1.5(一部改変)


<関連サイト>
ひざ痛にヒアルロン酸注射 治療推奨度上がる 変形性膝関節症
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/42453615.html

脚の軽運動で痛み緩和
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=ɨ;


グルコサミン その1(1/2)
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/17814079.html
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グルコサミン  その2(2/2)
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/20452515.html

ひざの痛み簡易チェック
https://www.ehiza.jp/pain/check.html

変形性ひざ関節症について
http://ehiza.jp/about/index.html
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膝の痛みや違和感、考えられる9つの原因
http://allabout.co.jp/gm/gc/301987/


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                     近所の神社にて 2016.1.2 撮影