PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)

坐骨神経痛の最新治療 PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)

坐骨神経痛の原因のひとつとして挙げられるのが椎間板ヘルニアだ。
その新しい治療法としてPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)が注目されている。
体を切開せずにレーザーを使って治し、痛みをとる。
低侵襲なので、患者にやさしい治療法といえる。

<私的コメント>
手術ではラブ法(腰椎椎間板ヘルニア摘出術)が一般的だった。

坐骨神経痛椎間板ヘルニア
坐骨神経痛の主な症状は、おしりや太ももの裏側、ふくらはぎなどの痛みだ。
これらの痛みは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨・神経の腫瘍などの病気が原因となり、坐骨神経につながる神経が圧迫されて起こる場合が多い。
そのうちで、椎間板ヘルニアの場合にはPLDDが効果を発揮する。

背骨は横から見るとS字のような形をしており、上部から首(頸椎)、背中(胸椎)、腰(腰椎)、下部の仙骨(仙椎)、尾骨(尾椎)と、骨が連結して成り立っている。
この骨と骨をクッションのように支え、結びつけているのが椎間板という軟骨だ。

<私的コメント>
椎間板は円形の線維軟骨。
ゼラチン状の髄核とコラーゲンを含む線維輪から成っており、椎骨にかかる衝撃を吸収する。
また、椎骨の微妙な動きを可能にする軟骨関節を形成し、靭帯とともに脊椎を保持する役割を持つ。
椎間板ヘルニアは、椎間板の老化や強い外圧で線維輪が損傷し、髄核が線維輪から脱出したり、髄核に押し出された線維輪の一部が後方に飛び出したりすることで神経や脊髄を圧迫する病気。
多くは自然治癒することが多いため急いで手術する必要はない。
半年は様子を見た方がいい場合が多い。

椎間板の真ん中には髄核があり、その周りを線維輪という軟骨組織が幾層にも囲んでいる。
外的な衝撃などにより線維輪に亀裂が生じ、その隙間から髄核が突出して神経を圧迫する状態を椎間板ヘルニアという。

PLDDで日帰り手術が実現
椎間板ヘルニアに対するレーザー治療は、1986年にオーストリアで初めて実施された。それ以来、日本では1990年代から普及してきた。
なかでもPLDDは、患者に対して侵襲性が極めて低い手術として注目されている。
PLDDは、局所麻酔を使用し、X線透視下で穿刺針(直径1.6mm未満)を椎間板に挿入する。
この針の内側に細いレーザーファイバーを通して椎間板まで挿入。
レーザーを照射し、髄核を焼いて空洞をつくる。
そこが治癒し、縮むことによって椎間板がへこむので、神経への圧迫がなくなる。

治療時間は、局所麻酔からレーザー治療まで10~15分ですみ、日帰り手術が可能だ。
出血は少なく、傷跡もほとんど残らない。
合併症の心配がないため、糖尿病や内臓疾患、心筋梗塞などの病気を持っている方でも治療が受けられる。

ただし、PLDDは、すべての椎間板ヘルニアに対して有効なわけではない。
いずれにしても、診察時にMRI検査、X線検査などを行い、PLDDにより椎間板ヘルニアが改善できるかどうかを判断した上で、治療にのぞむ。
坐骨神経痛で悩んでいる方や椎間板ヘルニアの疑いのある方は、新しい選択肢が増えたといえる。

<私的コメント>
椎間板ヘルニアの治療には一長一短がある。
PLDDも選択肢の一つに過ぎない。
宣伝にまどわされず信頼出来る医師によく相談する必要がある。

出典
週刊朝日 2008.3.14 (一部改変)


椎間板ヘルニア・追加>
椎間板は曲げたりねじったりするのに弱い。
物を持ち上げる時は膝を使うなど普段から注意をしよう。
背筋や腹筋は背骨への負担を軽くする。
適度な運動による筋力の維持・向上が予防につながる。
靴が合わないと足腰に負担がかかるので靴選びも大切。
体重にも気を配ろう。




<関連サイト>
体にやさしい腰椎手術
http://www.asahi.com/ad/clients/iryo/archives/ent/20080430000006.html






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門松の切り口がハート型で見事です。