夜間低血糖

歯ぎしり、寝汗…潜む意外な原因「夜間低血糖

睡眠中に歯ぎしりをする、寝汗がひどい、悪夢にうなされる、寝ても疲れが取れない・・・。
そんな睡眠トラブルの背景に、「夜間低血糖」が潜んでいるかもしれない。
寝ている間の血糖値の急激な変動が、眠りの質を著しく低下させる可能性がある。

■糖尿病でない人も血糖値の急降下に注意
低血糖というと、糖尿病の薬が効きすぎて血糖値が極端に下がるというイメージがあるが、ここでいう夜間低血糖は糖尿病でない健康な人にも起こる。
血糖値の数値ではなく、急激に変動することが問題。
 
睡眠中に血糖値がガクンと下がると、それを回復させようとアドレナリンやコルチゾールなどの興奮系ホルモンが一気に分泌され、交感神経が優位になる。
その結果、寝汗や歯ぎしり、悪夢などに見舞われ、睡眠の質が悪くなる。

2011年の欧州糖尿病学会では、夜間の軽い低血糖が睡眠の質を低下させ、翌日の体調も悪化させるとの報告があった。
あまり知られてないが、睡眠障害だけでなく、パニック障害うつ病、体調不良なども、血糖値の乱高下が引き金になっていることが多い。

こんな症状がある人は「夜間低血糖」の可能性が
□ 寝汗や歯ぎしり、悪夢を見るなど、睡眠の質が悪い
□ 寝る前に何か食べないと眠れないことがある
□ 午後3~4時ごろにだるさや眠気、集中力の低下を感じる
□ 朝起きたとき、頭痛や肩こり、疲労感などがある
□ わけもなく不安感に襲われるなど、感情の起伏が激しい

午後4時ごろは1日の中で血糖値が最も低くなる。
血糖値の調節障害がある人はこの時間帯に症状が出やすい。
上の項目に該当する人は、夜間に限らず日中も血糖値の乱高下が起こっている可能性が大。

低血糖になると寝汗や悪夢が起きるのはなぜ?
インスリンが過度に血糖値を下げる

寝ている間に低血糖になる

血糖を上げようと、アドレナリンやコルチゾールなどのホルモンが一斉に分泌される

自律神経の交感神経が興奮する

その結果、寝汗、歯ぎしり、こわばり、悪夢などが起きる

そもそも夜間低血糖を起こしている人は、日中も血糖値の変動が激しい。
糖尿病の糖負荷試験では、ブドウ糖をのんで2時間後までの血糖値しか調べない。
しかし、通常の試験では『正常』でも、5時間測定すると血糖値が異常に乱高下していたり、糖を処理するインスリンが過剰に分泌されていたりして、血糖の調節障害が起こっている人が少なくない。
改善法はあるのか。
鍵は食事。
低血糖は血糖値がグンと上がった後、反動で起こる。
血糖値を上げるのは糖質だけ。
夜間低血糖を改善するには、夕食の糖質を抜くか、極力少なくして、食べる順番も最後に回す。
こうして血糖値をなるべく上げない食生活をまずは1週間続ける。
それでも改善しないなら昼食の糖質も抑えて、もう1週間様子を見る。
もちろんこういった食生活の改善は医師に相談しながら行う。

低血糖を防ぐ食べ方
血糖値の急上昇や急降下を防ぐには、ご飯やパンなどの糖質を抑え、たんぱく質を増やすのが一番。
懐石料理などは、最後にご飯が少しだけ出てくる。
あれがお手本となる。
先に野菜や肉、魚などをしっかり食べ、糖質を食べるなら最後に少し。
順番を変えるだけで、血糖値の上がり方が緩やかになる。

●寝る前に空腹ならこんなものがおすすめ
チーズ、ナッツ、焼き鳥、ホットミルク、豆腐など。
これらは蛋白質と脂質をほどよく含み、糖質が少ないため血糖値が上がりにくい。

出典
日経ヘルス&メディカル 2014.8.10



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            健気に咲くガーデンシクラメン  2015.12.28