低糖質食

低糖質食、もっと身近に コンビニや外食、増えるメニュー

普段から肥満・糖尿病予防
過食や運動不足などの生活習慣による肥満や糖尿病の対策として「糖質制限食」や「低炭水化物食(ローカーボ)」をうたった商品や外食メニューが増えてきた。
課題だったおいしさも改善の兆しがあり、ダイエット食として限定的だったかつてのイメージは変わりつつある。
気になる人は試してみてもよいだろう。

低糖質メニュー専門のレストランも出現して来た。
たとえば、こんなレストランだ。
血糖値を上げる原因となる白米や小麦粉、砂糖は一切使わない。
主食には玄米を出し、パウンドケーキはおからを原料にする。
パンやピザの原料は大豆粉だ。甘みは体内に吸収されないラカンカで付ける。
 ランチ(税別で1200円)はおかずだけなら糖質量は15~18グラム。
一般的なローカーボの糖質量は1食あたり20~40グラムとされ、日本人が平均的に摂取する同約90グラムの半分以下だ。
 
炭水化物から食物繊維を除いた主な成分が糖質だ。
生命を維持する重要なエネルギー源だが、糖尿病患者や予備軍にとって血糖値を高めるやっかいな相手だ。

論文で示され脚光
糖質制限は1970年代に米国で発案され、効果的なダイエット法として日本に紹介された。
糖質量が1食あたり7グラム以下の厳しい方法もある。
おにぎり1個に含まれる糖質は約40グラム。
ごはんを主食にする日本人に、糖質の代わりに脂質やたんぱく質を増やす食事は長続きしにくい。
中断して体重が元に戻ってしまう例も多く、定着しなかった。
 
再び注目され始めたのは10年ごろ。
低糖質食品の種類が増え、血糖値を高めない甘味料も受け入れられるようになった。
糖質制限食で血糖値を改善する研究が海外で相次ぎ、論文で明確に示された影響も大きい。

長期的効果は未知数
1日の糖質量が130グラム以下という糖質制限食を長期間継続したデータは国内に少ない。
運動や食事など様々な生活習慣の条件を整えて多くの市民の健康を調べる研究が難しいためだ。糖質制限食が結果としてカロリー摂取も抑制している可能性もある。
どちらの効果なのか簡単には判別できない、という意見もある。
 
糖質制限食に学会の基準やルールはなく採用しやすい半面、推奨する医師らによって方法がまちまちになる課題もある。
極端に糖質を減らすと低血糖で意識を失う危険もある。
糖質に代わるエネルギー源として、脂質とたんぱく質の割合が増えると、人によっては糖質制限食を「油っぽい」と感じてしまう。
脂質の成分もいくつか種類があり、飽和脂肪酸トランス脂肪酸を多く摂取すると、動脈硬化を進行させる悪玉コレステロールを増やすリスクが高まる。
脂質成分の選択が重要になる。
 
また、腎臓の機能が落ちている人はたんぱく質の割合が高くなると腎臓に負担がかかってしまう。健康な人が試す場合には大きな問題はないが、糖尿病患者の場合は注意が必要だ。

出典
日経新聞・夕刊 2016.3.31 


<関連サイト>
あなたの糖質制限はここが間違っていた 糖質は「オフ」より「コンシャス」
http://style.nikkei.com/article/DGXLASFK08H1M_Y4A001C1000000

過半数の医師が「糖質制限」を支持 医師の3人に1人は自ら実行
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/091800002/