長引く鼻水

長引く鼻水 色や痛みに違い

なかなか治まらない鼻水に悩んでいる人も少なくないはず。
原因はさまざまだが、数日続けば注意が必要だ。
 
鼻水は通常時でも、鼻の中の乾燥を防ぐために1日1・5リットルほど分泌されているといわれる。
細菌や異物が入ってくると、外へ流すために鼻水があふれてくる。
     
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無色透明でさらさらな鼻水が止まらず、くしゃみや目のかゆみがあれば、アレルギー性鼻炎の可能性が高い。
患者は子どもからお年寄りまで幅広い。
なりやすさには体質もあるが、疲れやストレスで免疫力が低下している時に、突然発症することもある。
 
主な原因は花粉やダニだ。
特に季節性の花粉症は、日本人の3~4人に1人が悩む。春先のスギだけでなく、夏はカモガヤ、秋はブタクサが知られる。
ヒスタミン薬で鼻水の量を減らすなど、症状を和らげる治療が基本だ。眠くなりにくい薬も出ている。
 
患者数が多いスギ花粉症では、根治が期待できる薬が登場した。
花粉の成分を含んだ薬を舌の下に数滴垂らし、2分間おいてのみ込む。
数年続けて少しずつ体を慣らしていく。
 
また、朝晩と日中の寒暖の差が大きくなると、鼻の粘膜が刺激され、鼻水が出ることがある。
「血管運動性鼻炎」の一つで、アレルギー性鼻炎と同じように鼻水は無色透明でさらさらだ。
 
一方、鼻水が緑色や黄色でネバネバしている場合は、細菌やウイルスの感染が考えられる。
細菌などが混じった鼻水が長期間続くようなら、気管支炎につながる恐れもある。
鼻水をためると中耳炎になる可能性もあるため、なるべく外に出した方がよい。
その際、鼻を強くかまないようにすることが大切だ。
緑色などの鼻水に加え、みけんや目の下あたりの内側に痛みを感じたら、感染による急性の副鼻腔炎が疑われる。
副鼻腔炎は、鼻の奥でつながっている左右4対の空洞に炎症が起きた状態だ。
 
副鼻腔にうみなどがたまって炎症が3カ月以上続けば、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)と診断される。
治療法は抗菌薬が一般的。
蓄膿症になりやすい鼻の構造の人には、副鼻腔にうみなどがたまらないように手術を選択することもある。
 
このほか、白血球の一種である好酸球が増えて副鼻腔に炎症が起きる「好酸球副鼻腔炎」の患者は、増加傾向にある。
発症の原因ははっきりせず、厚生労働省が難病に指定している。
ステロイド剤などで治療するが、再発する可能性が高く、やっかいな病気だ。
 
<関連サイト>
武田薬品工業の健康サイト「鼻水」
http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=hanamizu
(鼻水の病気などの解説を掲載)

日本アレルギー協会のサイト「鼻アレルギー(花粉症)」
http://www.jaanet.org/patient/allergy/nose.html
(花粉症の治療薬などを紹介)