動物からうつる感染症

動物からうつる感染症

猫・犬・鳥・・・触れたら手洗い徹底
動物にかまれたり、ひっかかれたりすることでうつる病気がある。
動物のフンも原因になる。
放っておくと重症化することがあるので、見逃さずに早めに受診することが必要だ。

室内で動物を飼うケースが増え、以前に比べると動物とふれ合う機会が多くなっている。
感染のリスクは高まっている。

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動物から人にうつる病気は、「人獣共通感染症」や「動物由来感染症」と呼ばれる。
患者が多いのは、身近な猫や犬から感染する猫ひっかき病やパスツレラ症、カプノサイトファーガ感染症だ。

いずれも原因は、猫や犬の口や爪の中にいる細菌。
かまれるだけでなく、口をぺろぺろとなめられてもうつる可能性がある。
猫は犬よりも爪が長く、引っかかれると体の奥まで細菌が入りやすい。

猫や犬以外で代表的なのは、鳥からうつるオウム病。
インコやハトなどのフンに含まれるオウム病クラミジアという微生物が原因で、乾燥して粉々になったフンを吸い込むことで感染する。

鳥を飼っている家や施設で起こることが多いが、飼っていなくても起きないとはいえない。
2月に入所者らがオウム病に感染した川崎市社会福祉施設の場合、換気扇の外側にハトが巣をつくり、そこにあったフンが室内に舞い込んだのが原因と考えられている。

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カメや蛇など爬虫類も要注意だ。
食中毒で知られるサルモネラ菌を持っていることが多い。触れた手をよく洗わずにいると、口に入ってしまうことがある。

これらの感染症は自然に治ることが多く、抗生剤も効く。
ただ、症状が発熱やせきなど、かぜと似ているため、動物からうつったと気づきにくく、治療が遅れてしまいがちだ。

中には肺炎や敗血症、髄膜炎を起こすものもある。
病院に行ったら動物に触れたことを医師に伝えるようにしたい。
健康な人はそれほど心配する必要はないが、免疫力が落ちている高齢者や持病がある人などは特に注意が必要だ。

感染を防ぐには、一緒のベッドで寝たり、キスをしたりしないなど、ある程度距離を置き、節度を持って接することが大切だ。

動物に触れた後は、十分に手洗いをして、飼育している場所は、フンを吸い込まないようにマスクをしたうえでこまめに掃除したい。

犬や猫を定期的にシャンプーしてやるなど、動物のケアにも気を使った方がいい。
付着したダニやノミなどが感染症を媒介するケースがあるためだ。


動物からうつる感染症に注意 まとめ
① ⬜︎ 発熱がある
② ⬜︎ 全身の倦怠感がある
③ ⬜︎ 頭痛がする
④ ⬜︎ わきの下が腫れる
⑤ ⬜︎ 下痢をした
⑥ ⬜︎ 鳥のフンを処理した
⑦ ⬜︎ 高齢着である
⑧ ⬜︎ 糖尿病など持病がある


①②③ 猫や犬など動物にかまれたり、引っかかれたりした後に、かぜに似た症状が出た場合は、猫ひっかき病やパスツレラ症、カプノサイトファーガ感染症などにかかっている恐れがあります。病院を受診し、動物と接触したことを伝えてください。
④ 猫ひっかき病にかかるとリンパ節が腫れます。
⑤ カメなど爬虫類に触れた後に下痢をした場合はサルモネラ症の可能性があります。
⑥ インコやハトなど鳥の乾いたフンが近くにあると、オウム病に感染する恐れがあります。
⑦⑧ 高齢者や、糖尿病などの持病がある人は免疫力が落ちています。動物との過度な接触は避けましょう

関連サイト
厚生労働省の動物由来感染症のサイト
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/
(「ハンドブック」では、動物から人にうつる感染症の特徴や予防法、注意点などをわかりやすく説明sareteiru)

動物から感染「ズーノーシス」 治療法、未確立も多く
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/42606237.html


参考
朝日新聞・朝刊 2014.9.1


 
イメージ 1

長野・蓼科湖湖畔 彫刻公園  2016.7.17 撮影