足の爪 自分でケア

足の爪、切ってあげて 自分でケア、困難な高齢者も

高齢になると視力の低下で足の爪が切りづらくなったり、ケアが不十分になったりしがちだ。
家族などが爪を切ってあげる場合の注意点や清潔に保つためのコツは・・・。

足に水虫ができ、爪が分厚くなって爪切りでは切りづらいことがある。
また、かがむのがつらくなって自分で足の爪を切れないという人もいる。
高齢になるほど足を清潔に保つのは大変になる。
 
高齢者に多い爪のトラブルには、爪が分厚く、硬くなる「厚硬爪(こうこうそう)」、圧迫や深爪などにより爪の横のふちが皮膚に食い込み、その刺激で肉が盛り上がる「陥入爪」、巻き爪、爪白癬(爪水虫)などがある。
水虫でも爪が厚くなるが、爪が厚くなったり色が褐色がかったりする時は加齢による変化や靴に圧迫されたことも考えられる。
爪が変形すると靴などに当たり、歩行にも影響する。
 
爪の色が白く変化している場合は水虫の可能性がある。
水虫は放置せずに受診したい。
ふだんから足の指の間まで洗って清潔に保つ必要がある。
視力が低下して足の状態に気付かない人もいるので、家族や周りの人が気をつけてあげることも大切だ。
爪が伸びすぎたり、短すぎたりする人もいるが、歩きやすく、深爪にならないよう、四角く切って整える。
    
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爪を四角く整える「スクエアオフ」という方法がある。
 
爪切りは爪の厚さで選ぶ。
刃に爪が入る程度の厚さであれば、刃先が直線型の爪切りがよい。
アーチ型より深爪になりづらい。
爪が分厚く、刃に入らない場合は、ニッパー型の爪切りがおすすめ。
力が入りやすく硬い爪も切りやすい。
その分、注意して少しずつ切るようにしたほうがいい。
 
爪は四角くするイメージで、生え際のラインと平行に切ること。
爪のかたちに沿ってアーチ型に切ろうとすると、角を短く切り落としてしまって深爪や巻き爪になりやすい。爪の両端に白い部分が残る程度でちょうどいい。
 
切った後は、切り口に引っかかりがないようヤスリで削る。
安価なものでかまわない。
さらに家にあるハンドクリームなどでよいので、足や爪の周りに塗って保湿を心がける。
    
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足を洗う時に爪の周りや皮膚と爪の間も石けんで洗い、清潔にすることが大事だ。
 
水虫がある家族の足をさわったら、うつる可能性はないのか。
せっけんで手を洗えば菌は残らない。
足ふきマットやスリッパの共用は気をつけた方がいい。

<糖尿病の人は注意> 
糖尿病の人は足のケアにも注意が必要だ。
糖尿病の合併症により、足や爪の水虫や、爪が厚く盛り上がったり曲がったりする変形などの症状が見られる。
 
糖尿病によって神経障害が起こると足先の感覚が鈍くなり、傷ができても気づきにくい。
傷口から細菌感染が広がると、体の組織が腐る壊疽(えそ)まで進行してしまう場合もあるという。
爪を切る時に足に傷をつくらないなど十分に注意したい。

 
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参考
朝日新聞・朝刊 2016.8.21