子どもの誤嚥

ピーナッツ1粒でも 子どもの誤嚥、原因1位はナッツ類

14年の人口動態統計によると、「食物」「その他の物体」の誤嚥により、14歳以下で26人が亡くなっている。
1~4歳が5割超を占めるが、5歳以上でも5人が死亡した。
日本小児呼吸器学会の全国調査(05~06年)によると、3歳以下の子どもの誤嚥事故の原因の1位はナッツ類。
臼歯が生えそろっていない幼児には硬くてかみつぶしにくく、ピーナツ1粒でも詰まることがあるという。
同学会などが「小さい子にはナッツ類を与えないで」と注意を呼びかけている。
 
ある研究によると、「チャイルドマウス」といわれる乳幼児の口の大きさ(乳児で直径32ミリ、3歳児で39ミリ)より小さいミニトマトや、白玉団子なども詰まらせるおそれがある。
 
食道と気管は隣り合わせのため、口に物を入れたまま驚いたり笑ったりすると、息を吸い込む拍子に気管に入るおそれがある。
食事中に走り回ったり大笑いしたりしないこと、そしてお菓子を投げ入れて食べることもよくない。
 
もしもの時、周囲の人はどうすればいいのか。
足立教授によると、急にせき込んだり、声が出なくなったりしている場合は詰まっている可能性を疑う。
苦しそうでも声が出ている場合は、本人がせきなどで出すのを待った方がいい。
他人が揺さぶったり、のどに手を突っ込んだりすると、さらに詰まる危険があるためだ。
 
せき込んでも異物が出ない場合や、声が出ない場合は救急車を呼びつつ、背中をたたくなどして異物を出すことを試みる。
意識がなければ救急車を待つ間にも心肺蘇生の処置を始める。
心臓マッサージで胸骨を圧迫することで詰まった物がのどまで上がる可能性があるほか、脳に血液を送るためにも必要だという。
 
事故が起きる時、医者や看護師は近くにいない。
命を救うという観点から、親や保育士は蘇生の方法を身につけておきたい。

 
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参考
朝日新聞・朝刊 2016.8.29