アルツハイマー病 勤勉さが発症抑制?

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最近、認知症に関する情報が目立ちます。

高齢化社会に向け、誰もがかかりたくない病気ですよね。

今週もNHKでとりあげています。

シリーズ 認知症(1) 見過ごされる認知症 10月3日放送
50代の女性は、幻覚症状があらわれ近くの病院を受診し統合
失調症と診断された。
治療を続けたが症状は悪化。妻の介護と
仕事に追われる夫はうつ状態になり、妻の強制入院を余儀なく
された。
その後、大学病院で認知症と診断されるまで3年かかったという。
背景にあるのは専門医の不足と、『診断までが医療、その後は
介護』という意識だ。認知症は、適切な治療とケアの組み合わせ
で症状を和らげることが可能だが、日本では適切な医療を受けら
れず症状が悪化する人が少なくない。

シリーズ 認知症(2)早期発見で先手をうつ 10月4日放送
医療技術の進歩により、認知症は、顕著な症状が現れる前から
診断が可能になり始めています。
さらに、治療薬の早期投与で、その後の進行の度合いや、予後が
違うというデータも発表され、早期治療の有効性が明らかになっ
てきました。
50代の女性は、4年前、うつ症状が現れ大学病院を受診、
アルツハイマーと診断されました。
すぐに投薬治療を開始した結果、症状の進行も安定し、
家族とこれまでに近い充実した暮らしを続けています。


認知症初期の代表的な症状
・物忘れ(エピソードごと忘れてしまう)
・お金の支払いをまちがえる
・漢字がわからなくなる
・幻覚
・意欲の低下 気分が落ち込む
認知症治療の柱
・薬による治療
・脳を活性化させるリハビリ
・家族や介護者のケア

さて本題の最近の研究の紹介です。

アルツハイマー病 勤勉さが発症抑制?
勤勉、実直な性格や生活様式アルツハイマー病の発症を
抑える可能性を示す約1000人の追跡調査による研究
結果を、米ラッシュ大医療センターの研究チームが米
精神医学専門誌に発表した。
チームによると、平均年齢75歳の健康な997人を
12年間、追跡調査したところ、176人がアルツハ
イマー病を発症した。
調査参加時に性格テストを実施しており、性格と発症
との関係を分析。
その結果、
「目標達成に熱心に取り組む」
「やることすべてに優秀さを追求する」
「時間に間に合うよう、ペース配分をする」といった
「勤勉、実直」を示す項目で高得点を挙げたグループは、
得点が低いグループに比べ、89%も発症リスクが低かった。
さらに、勤勉な人では、死後に脳を調べるとアルツハイマー
病の特徴を示す病巣があったのに、生前に認知症
現れなかったケースもあった。

チームは「勤勉な生活様式によって脳神経が保護される
のかもしれない」としている。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007100201000218.html

<コメント>
「平均年齢75歳の健康な997人を12年間、追跡調査
したところ、176人がアルツハイマー病を発症!」

平均87歳の2割がアルツハイマーになる計算。当たり前
なのか多いのか?
12年後に死亡している人がかなりいるはずだから確率は
もっと高くなります。
この研究は、「勤勉さ」がアルツハイマーになりにくい
原因なのか結果なのかというところはどうなんでしょうか?
(75歳の時点で軽度認知症になっていて勤勉でなかった人
はいないのだろうか?)

私は、真面目な人が認知症になりやすいと漠然と考えて
いましたが違っていたんでしょうか?

<自遊時間>
中国の諺に「巨口細耳(きょこうさいじ)」という言葉
があるそうです。
ある雑誌で初めて知りました。
中国では、声高に威圧的になったり自分の主張ばかりが
強いことを「巨口(きょこう)」と言い、人の意見に耳を
貸さなくなることを「細耳(さいじ)」と言うとのこと。
功なり名を遂げた人が自分自身に対する戒めとしている
言葉ということです。
そういう立場でなくてもだれにでも為になる言葉です。
拡大解釈すれば相手の話をよく聞くこと、となります。
相手の話の腰を折ってでも話をする、おしゃべりな私
にとってはとても難しいことです。
私の作った造語「巨耳小口」または「小口巨耳」。
勝手に造語をつくると、いざ知ったかぶりをして
しゃべるときにスベってしまいそうです。

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録http://wellfrog.exblog.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞくhttp://blog.m3.com/reed/200708