110歳まで生きられる! 脳と心で楽しむ食生活 その2

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CR ラッセン ドルフィン 版画
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c148836328


先週に引き続き家森先生の本からの紹介です。
きょうは
「食事と健康には関係がある」
という内容からです。

●高蛋白食には、血圧を下げる効果があり、脳卒中の遺伝がたとえ強くても食事によって予防ができる。
脳卒中ラットの実験結果によれば、日本人の場合、むしろ卵や肉を食べて蛋白質をとったほうが病気を防げるし、骨も強くなって一石二鳥だと思われました。

動物性たんぱく質の摂取量の増加が脳卒中脳出血などの脳血管疾患を減らし、平均寿命を延ばすことに貢献しました。
それでは、動物性たんぱく質は血管の健康にどのようにかかわっているのでしょう。
京都大学大学院人間・環境学研究科の家森幸男教授らの動物実験の結果を紹介します。
使われた動物は、放っておいても100%の確率で脳卒中を起こす「脳卒中易発症ラット」と呼ばれるラットです。
このラットをたんぱく質が少なく食塩の多い餌で飼育すると、短期間で高血圧になり、100%のラットが早い時期に脳卒中で死んでしまいました。
しかし、充分な量の動物性たんぱく質に食塩を加えた餌では、血圧は上昇したものの脳卒中で脂肪したラットはわずか10%でした。
一方、食塩を加えず高たんぱく質の餌で飼育したラットは、血圧もそれほど上がらず脳卒中の発祥は全くありませんでした。
http://kumamoto.lin.go.jp/shokuniku/eiyochisiki/niku_protein/nossochu.html

コレステロールが多すぎるのも問題ですが、少なすぎても体に悪影響を及ぼします。

コレステロールでは老化が進み、ガン、脳卒中に!

健康のために動物性脂肪を控え、コレステロール摂取を減らしているつもりが、何のことはない、体内で活性酸素を暴れさせ、老化を促進させているだけ。
コレステロールを含む食品を食べることは、肝臓の仕事を助けることにもなり、ひいては活性酸素の発生を抑えることにもなるのです。
日本人の三大死因といわれる、ガン、脳疾患、心疾患臓病の死亡率が全体の半分を超えるきわめて高い値を示し、特に男性のガンと女性の脳卒中の割合が高くなっています。
しかし、コレステロール値が高いほど死亡率が上昇する心疾患は、他の先進国と比べたら日本は圧倒的に発生率が低いのです。
しかも、心疾患による死亡率は三十年前に比べ増えているどころか、むしろかなり低下しているのです。

ナターシャタイムズ前号に日本とアメリカとの平成12年度三大死因死亡率を掲載しましたが、もう一度見くらべてください。
コレステロール
値が高いと増える心疾患は少なく、コレステロール不足によってもたらされるガンや脳卒中アメリカより圧倒的に多いということは、日本人はむしろ、コレステロール不足傾向にあるといえるのでは
ないでしょうか。
http://www.nstimes.info/01-2003/special_report.htm

●長寿の秘訣は食生活にこそある。
●WHO CARDIAC STUDY(循環器疾患と栄養国際共同研究)25カ国61地域での研究
WHOカーディアック・スタディは、京都大学名誉教授の家森幸男教授(現武庫川女子大学教授・兵庫県健康財団会長)らが、WHOの協力のもとに1983年から20年ちかい歳月をかけて、世界の長寿地域と短命地域
を選んで行った健康と栄養の関係を解明する研究で、国内ばかりか地球の裏側に住む人々の骨や血圧、肥満度などまで調査した画期的プロジェクトです。

世界61地域を踏査
研究対象は、25ヶ国・61地域にのぼり、先進国だけでなく、コーカサスシルクロードなどの長寿地域や、これまで疫学調査をされたことがなかった発展途上の地域までに調査が及んでいます。
おそらく外国人など見たこともない地域に住む人々の健康状態を調べるために、大型の機材を送り、健康診断を行って血液と24時間尿のサンプルを採取して分析するという、かつてないほど大規模な調査を実施
しています。
先進国以外では健康診断の習慣さえない地域も少なくないため、人々の関心を集めたり、逆に恐がられたりすることもあり、エピソードには事欠きませんが、とくに骨密度を測定する機械は当時のブラジルでは珍しがられ、テレビ、ラジオ、新聞関係者などの取材が連日絶えませんでした。
このような長い疫学調査・介入試験の結果、長寿と食事の関係は密接で、ことに日本を含むアジアの伝統的な食生活習慣、とくに大豆や魚、昆布などの海産物を日常的にとることが長寿を支える、という結論が出されたのです。
このような研究には、莫大な資金が必要です。
個人の寄付を募って1.5億円以上の資金を集めることができましたが、この趣旨に共鳴する企業からも、資金援助や研究員の派遣といった人的援助が行なわれました。

WHO CARDIAC STUDY
http://www.fujicco.co.jp/corp/isofla_pedia/section1_06.html


出典  
「110歳まで生きられる! 脳と心で楽しむ食生活」 
  家森幸男著  生活人新書

<コメント>
コレステロールはある程度は人間の体には必要です。
低ければ低いほどよいという先生もいますが、何でも「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
たしかにコレステロールは低いほうが「心筋梗塞」の発生は減少しますが、それで長生きということは担保されません。
「木を見て森を見ず」
以前からこの考えを持っていましたが、家森先生のこの本を読んで確信しました。

<診察室>
昨日、激しい腹痛で眠れなかったという妙齢の女性Hさんが
来院されました。
私「最近お通じはいかがですか?」
Hさん「そういえば最近あんまり?」
私「どれどれ。ちょっとおなかを診せていただけますか」
私「左の下腹にしこりがありますよ。おなかが張っていますし、ひょっとして便秘のせかも知れません。
念のため、おなかの写真を撮らせて下さい。」
・・・
レントゲンの現像が出来上がって。
私「やっぱり、たまっているみたいですよ。かたまり、つまり糞塊(ふんかい)がいっぱいあります。」
Hさん「???」
私「糞塊というのは便のかたまりのことなんですよ。
とりあえず緩下剤を出してみます。本当はアレで答え一発なんですけど。嫌ですもんね。」
Hさん「はい。そうしてください。そういえば思い当たるふしがあるんです。じつは小さい子が二人いるんですけど、上の子が最近知恵をつけてトイレに入っていると外から鍵を開けておちおち・・・」
私「そりゃ大変だ。出るものも・・・。そうそう。糞塊(ふんかい)で思い出した。昔FMで城達也って人が
ナレーターをやった深夜番組でジェットストリームってのがあったんだよ。」
Hさん「そんなの知りません。」
私「ちょっとネットですぐに出すから、聞いてみて」

メロディーが流れる。
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、たゆみない  宇宙の営みを告げています。
http://blog.kiyochan.com/?eid=176712
(オープニングナレーションをクリック)

遥かウン塊の上を !!!!!!!

Hさん「もう勘弁して下さい。私、帰ります。」


医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録http://wellfrog.exblog.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞくhttp://blog.m3.com/reed/200708