今110歳まで生きられる! 脳と心で楽しむ食生活 その17

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家森幸男先生の本からの
   紹介です。

いよいよ、どなたも興味をお持ちの沖縄の食文化のお話の紹介です。
家森先生のまさに真骨頂です。

「今110歳まで生きられる! 脳と心で楽しむ食生活」
家森幸男 著  生活人新書     日本放送出版協会 発行

興味を持たれた方は是非、本でお読みください。
素晴らしい本です。

沖縄はなぜ長寿が多いのか

長寿国といわれる日本の中でも、沖縄は日本一の長寿県として知られていました。
私たちが1986年に沖縄で行った調査でも、それを裏付ける結果が出ました。
北は青森から南は沖縄までの8カ所で調査をしたところ、まる一日の尿の中の
ナトリウムの値は沖縄が最少で、一日にとる食塩の量は平均8.2グラムと、
日本人の平均より4グラムも少なかったのです。

ナトリウムの少なさに貢献していると思われるのが、豚肉の食べ方です。
気温が高いだけに肉を塩で保存したためか、塩ぬきのために肉をゆでこぼし、
食塩や脂の溶け出した汁は飲まずに肉だけを食べる。
すでに紹介した世界の長寿地域グルジアと同じやり方です。これなら、脳卒中
予防に必要な蛋白質をとりながら、さまざまな害につながるナトリウムも、
心筋梗塞の原因になるコレステロールもとり過ぎないで済みます。
世界中のデータを集めて検討した結果、コレステロールの値が低すぎると脳卒中
増え、高すぎると心筋梗塞が増える傾向が明らかになり、中庸の180~200
mg/dlが最適であることがわかっていましたが、沖縄は、まさにこの値に
あてはまっていました。
塩ぬきの意味でゆでこぼしの食べ方が始まったというのは、まきに沖縄という
土地に根ざした、伝統的な食生活の知恵といえます。

沖縄の食生活からは、ほかにも長寿の理由がいくつも見つかりました。
まずは豆腐をよく食べること。
消費量は全国平均の約1.5倍で日本一です。
「島豆腐」と呼ばれる沖縄の豆腐は本州のものよりも大きく、やや固めで、料理
しやすいだけでなく、蛋白質やミネラル、ビタミンは本州のものよりも多く
含まれています。
もちろん、豆腐の原料は大豆ですから、豊富に含まれているイソフラボンが血圧や
コレステロールを下げるほか、がんも防いでくれると期待されます。
            
また、ソーキソバなどの出汁(だし)は主に鰹節からとっています。
鰹節に含まれるアルギニンは、血液さらさら効果のある一酸化窒素をつくる
原料になるのです。
そして、沖縄特有の野菜類も見逃せません。
紫外線が十分あたる環境で育つゴーヤ( ニガウリ)などに
は、ボリフェノールなどの抗酸化栄養素が多いのです。
海に囲まれていますから魚もよく食べ、蛋白質とともにタウリンもとっています。
意外なところではコンブをよく食べています。
沖縄周辺の海ではコンブはとれません。
しかし、北海道でとれたコンブを中国ヘ輸出する際、沖縄が最終中継点となって
いるため、口にできるのです。
それも、出汁をとるために使うのではなく、コンブ自体を味噌汁などに入れて
食べています。
食物繊維を豊富にとることができる、実に健康的な食べ方です。

しかし、私たちが調査を続けるうちに、そんな沖縄でも、血圧の高い人や高脂血症
の人が、とくに男性で増えていることがわかりました。
女性は家にいて伝統的な食事をとることが多いのですが、男性は外に出て働くことが
多いので外食をしがちになります。
食べるのは伝統食ではなく、東京などと変わらないメニューです。
米軍基地の影響もありファーストフードの店も多いのです。
この食生活の違いが、男女の健康状況の差となって表れたのかもしれません。
さらに、観光客が頻繁に訪れるようになった結果、伝統食そのものの味付けが彼らの
好みに合わせて塩辛くなってきたことも事実です。
平成12年の都道府県別生命表によれば、沖縄の女性はなお長寿第1位ですが、
男性は長野に第1位を明け渡して以来、一気に26位にまで落ちてしまいました。

<コメント>
沖縄の男女の平均寿命の差はすごいですね。
島の男女の人口構成がくずれてしまう勢いです。
日々の食生活がいかに大切か、そして本島の人間がいかに良くない食生活をして
いるかがわかります。
昼食を外食にしているご主人を持つ奥さん。
明日からは愛妻弁当を考えられたらいかがでしょうか。

<自遊時間>
昨日の夕方、ある製薬会社へ小さな講演をしに行く機会がありました。
時間が迫っていて少しあわてていました。
ちょっと見得を張って、普段しない家宝(?)の腕時計を急いではめて出かけました。
電車に飛び乗ってやれやれと腕を上げて時計で時間を確認しようとしました。
その左腕にはすでにつけていた時計を含めて2本まきついていました。
顔から火が出るほどの恥ずかしい気持ちがこみ上げてきました。
周囲の人が見ているかどうか確かめながら、ゆっくり腕をおろしました。
数人の目線を感じながら。