欧米型の食事でも死亡リスク低減

欧米型の食事でも死亡リスク低減 海外に比べ肉・塩分少なく

国立国際医療研究センター国立がん研究センターは24日、肉やパン、乳製品といった「欧米型」の食事を多くとる人は少ない人よりも死亡リスクが低くなる傾向があると発表した。
「欧米型」は高カロリーで健康に悪いとされるが、両センターは「欧米型でも日本人は欧米人より肉や塩分量が少ないことなどから死亡リスクが低くなった」とみている。
 
大阪府沖縄県など9府県の40~69歳の男女約8万人を1990年代から約15年間、追跡調査した。
 
食事のタイプは5年後の食事調査で計134項目の食品や飲料の摂取量から「欧米型」のほか、脂の多い魚や野菜、豆類などを多く食べる「健康型」、和食中心で漬物や味噌汁などを好む「伝統型」に分類。
さらにそれぞれのタイプを、関連する食品などをより多く取った順に高低の傾向で4つのグループに分けた。
 
全ての死因で比較すると、欧米型は最も食事の傾向が低いグループを1とすると、傾向が高いほど死亡リスクは低くなり、最も摂取していたグループは1割リスクが低かった。
がんと、心疾患や脳血管疾患など循環器疾患でも同様の傾向があった。
いずれも最も摂取していたグループは2番目に高いグループより数値が上がったが、統計的な差はないという。
 
健康型の食事でも最も傾向が高いグループは死亡全体のリスクは2割、循環器疾患の死亡では3割リスクが低下した。
魚に多い多価不飽和脂肪酸のほかミネラルの摂取が多いためとみている。
 
伝統型では摂取量と死亡リスクとの関係はみられなかった。
 
肉などは死亡のリスク上昇との関連が報告されている。
両センターは「欧米型といっても、日本人は欧米人に比べて肉類を食べる量が少なく、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、コーヒーを好む」と指摘。
塩分の摂取量も少ないことも加わって、死亡リスクが低減したとみている。
 
野菜や大豆類、きのこ、脂の多い魚などを多く取りながら、乳製品や肉類もほどよく食べることが長寿の秘訣ではないか、という。

参考・引用
日経新聞・朝刊 2017.5.25



 
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肉類や加工肉、乳製品、パン、果物ジュース、コーヒーなどを多くとる欧米型の中でも、全死亡リスクは、多くとったほうが約1割低かった。

参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.5.25