がん治療で脱毛・肌くすみ

がん治療で脱毛・肌くすみ、外見ケアで気持ち前向き

メークやかつら選び指南
病気の治療のためと分かっていても、抗がん剤放射線などによって髪の毛が抜けたり、肌が黒ずんだりくすんだりするのはつらい。
これらの副作用に悩むがん患者を支援するため、肌を明るく見せるメーク術やかつら選びを指南するなどの取り組みが広がっている。
働きながら治療を受ける人も多く、見た目のケアは患者の精神面を支える上でも重要だ。

外見が病気の前と変わると自信が無くなり、知人が面会に来ても会いたくなくなる。
メークなどで普段通りの自分になることで治療にも前向きになれる。
 
がんの治療をしながら仕事している女性だけではなく、男性にとっても外見は気になるはず。
ちょっとしたコツで元気に見せられる。

がん患者が戸惑う外見の変化は何か。
日本対がん協会資生堂は女性のがん患者にアンケートを実施。
治療前からの変化で気になるのが
(1)肌のくすみ、色素沈着(20%)
(2)眉・まつげの脱毛(17%)
(3)頭髪の脱毛、爪・指先の変化(それぞれ15%)
だった。
 
資生堂は06年に東京・銀座にライフクオリティービューティーセンターを設け、やけどの痕などを隠すメークレッスンを実施している。
13年からはがん患者への対応も始めた。
患者にも協力してもらい、治療中の不便なことや悩みを基にアドバイスを1冊のパンフレットにまとめた。

肌を明るく見せるには、くすみ対策用ファンデーションやオレンジ色の下地を使うとよい。
 
眉毛が完全に抜けてしまうと、もとの位置が分からなくなることもある。
そういう時は「人さし指、中指、薬指の3本をアイホールにあて、指先1本分上にあたるところが大体の位置」となる。

正しいケア、手引きに 国立がん研究センター
国立がん研究センターアピアランス支援センターは8月、外見の変化への対処法に関する専門家の見方を書籍「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」(金原出版)にまとめた。
 
治療中の美容について科学的根拠もないまま広まっている。
正しい情報が必要となる。
店で「高価な医療用かつらでないと髪が生えない」と言われ、信じてしまう人もいるという。
実際には、おしゃれ用でも問題なく、つけ心地などで選べばよい。
 
美容に関する対処法を6段階で評価。
例えば薬の副作用で手足が痛み赤く腫れた時に保湿薬を塗るのは「科学的根拠がある」、肌のくすみ予防にビタミンCを取ることは「科学的根拠がなく勧めない」など。
 
手引き書は注意点も示している。
『勧められない』などと無い限り、気軽に美容法を取り入れればよい。

 
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参考
日経新聞・夕刊 2016.10.6