がん

放射線治療は新時代に

放射線治療は新時代に 理想的な放射線治療とは、がん細胞にだけ放射線を集中させることだ。 これが完全に実現できれば、正常組織に何ら悪影響を与えることなく、がん病巣に無限量の放射線を照射することができる。 副作用はゼロで、100%の確率でがんを消滅さ…

1~2年ごとに定期検診を

1~2年ごとに定期検診を 細胞の増殖に関係する遺伝子に突然変異が積み重なって、不死化したものが、がん細胞だ。私たちの体の中では、毎日多数のがん細胞が発生しているが、免疫細胞が水際で退治してくれている。 しかし、この「免疫監視機構」も万能とはい…

がんのステージ別の5年生存率

ステージ別の5年生存率公表 がん治療の「通信簿」が5年生存率だ。 乳がんや肝臓がんは診断から5年以降も再発することが珍しくないが、多くのがんは5年以降の死亡はまれなため、これが治癒率の目安となる。 国立がん研究センターは9月、全国約50万人のがん患…

膵臓がん治療は手術前から

膵臓がん治療 手術前から 抗がん剤や放射線 効果高める 毎年3万人以上が死亡する膵臓がん。 診断と治療が難しく、部位別では肺、大腸などに次ぎ、4番目に亡くなる人が多い。 公開データを基にした日本経済新聞の実力病院調査では、手術の前に抗がん剤や放射…

肺がん 治療法多様に

肺がん 治療法多様に 新薬と抗がん剤、手術の併用も 肺がんは日本人のがんの死者数で最も多い。 日本経済新聞の実力病院調査で症例数が多かった病院では、切除だけでなく、体に備わる免疫の仕組みを生かす「免疫チェックポイント阻害剤」と抗がん剤の併用や…

乳がん急増、背景に少子化

乳がん急増、背景に少子化 乳がんの5年生存率は9割を超える。 ピークが30代の子宮頸がんとともに、乳がんは若い世代に多いがんの代表だ。 がんは加齢による細胞の老化といえる病気のため、年齢を重ねるにつれて患者数が増える。 ところが乳がんの場合、加齢…

がん 「遺伝が原因」は5%

「遺伝が原因」5%にすぎず がんは、遺伝子の損傷による細胞の不死化が原因となる「遺伝子の病気」だ。 しかし、遺伝はがんの発生要因の5%程度に過ぎないから、遺伝する病気という見方は正しくない。 たしかに、生殖細胞の遺伝子の異常が代々受け継がれて、特…

加熱式たばこにも発がん性

加熱式たばこにも発がん性 「新型たばこ」は、紙に巻いた葉たばこを燃やす従来のたばことは異なるもので、「電子たばこ」と「加熱式たばこ」に大別される。 電子たばこではニコチンなどを含む液体を加熱して気化させ、吸引する。 欧米では、ニコチン吸引型の…

人工乳房にリンパ腫リスク

人工乳房、リンパ腫リスク 国内で初めて発症確認、海外では死亡例も 乳がんの手術を受け、乳房再建のためにインプラント(人工乳房)を使った女性に特殊なリンパ腫が見つかった。 国内初のケースだ。 海外では死亡例も報告されているが、早めに対処すれば治…

オーダーメード治療の時代

オーダーメード治療の時代 私たちの体は37兆個もの細胞からできている。 細胞の核には遺伝子を乗せた染色体が入っている。 染色体に含まれるすべての遺伝子と遺伝情報のことをゲノムと呼ぶ。 がんは、ゲノムの突然変異によって、臓器の細胞が不死化すること…

遺伝子異常突き止め薬選択

遺伝子異常突き止め薬選択 GISTは、胃や腸にできる悪性腫瘍だが、胃がんや大腸がんといった臓器の表面の細胞から発生する「がん」とはちがい、骨肉腫と同じ「肉腫」の一種だ。 進行したGISTでは「グリベック」という「分子標的薬」が使われる。 しかし、グリ…

肺がん治療、タイプごとに

肺がん治療、タイプごとに 新薬相次ぎ選択肢広がる 副作用対策、より重要に 様々ながんの中でも治療が難しく、予後が悪い・・・。 そんな肺がんの治療が変わりつつある。 効果が高い分子標的薬や免疫薬が相次いで登場。 がんのタイプに応じた治療の選択肢が…

がん早期発見 血液1滴で

がん早期発見 血液1滴で 20年実用化へ 過剰な検査・見落とし防ぐ 精密検査受ける基準に わずか1滴の血液や尿から早期のがんを発見する。 そんながんの検査が早ければ2020年にも一部の人間ドックや健康診断で受けられるようになりそうだ。 痛みや放射線被曝の…

治療法 ともに選べるように

治療法 ともに選べるように セカンドオピニオンは80年代にアメリカで始まった仕組みで、保険会社が複数の治療の費用対効果を比較し、保険の費用を削減するために導入したものと言われている。 結局、医療費削減効果は見られなかったが、患者の自主性を重んじ…

がん放射線治療の利点

放射線治療の利点知って がん治療の3本柱は手術、放射線治療、薬物療法だ。 この中で、手術と放射線治療は、がんの病巣があるところだけに効果を示す局所療法だ。 白血病などを除く固形がんの完治には、原則、手術か放射線治療の局所療法が必要となる。 放射…

がん 知っておくべき7カ条

知っておくべき7カ条 多くのがん患者が「まさか自分が」と言うが、ぼうこうがんに罹患した私もその1人だ。 34年間もがん医療に携わってきた専門医の私ですらそうなのだから、私たちは自分ががんになるといった意識は持たないように「プログラム」されている…

肺がん 進む個別化医療

肺がん、進む個別化医療 遺伝子の変異調べ、適切な薬選定 効果的にがんの薬物治療をするため、患者の遺伝子の変異をあらかじめ調べて、その人にあった薬を選ぶ「個別化医療」が進んでいる。 特に肺がんでは変異した遺伝子の働きを抑える分子標的治療薬が相次…

夜勤で高まる「がん」発症リスク

夜勤で高まる発症リスク 睡眠時間とがんのリスクとは別に、夜間勤務自体ががんを増やすことが知られている。 夜間も働く代表が看護師だ。 看護師の勤務は日勤(通常8~16時)、準夜勤(16~24時)、深夜勤(24~8時)の3交代制が一般的だ。 デンマークの女性…

ナッツ食べて「がんリスク」を減らす

ナッツ食べてリスク減 ナッツ類は、脂質を多く含み、少量でもカロリーの多い食品だが、不飽和脂肪酸、カルシウムなどのミネラル、食物繊維といった栄養素が豊富に含まれている。 ひとにぎり(30グラム程度)のナッツ類を毎日食べることが勧められており、肥…

難治がん新薬、高額の壁

難治がん新薬、高額の壁 薬価抑制の前例も キムリア承認へ 保険適用される見込みとなった、キムリア。 1度の治療で済み、よく効くが、米国では4千万~5千万円と高価だ。 白血病治療では、1カ月後に効果があった場合のみ製薬会社に費用が支払われる。 日本に…

がん診断、4割が75歳以上

がん診断、4割が75歳以上 男性は胃 女性は乳房 最多 初の全数調査 厚生労働省は2019年1月17日付で、2016年に全国で新たにがんと診断された患者は延べ約99万5千人と発表した。 全国の医療機関に情報提供を義務づける全国がん登録に基づく、初の全数調査。 「…

厳密にはがんに完治なし

厳密には「完治」なく 大腸菌のように、自分の分身を単純に複製する「無性生殖」で増える細胞には寿命はない。 しかし、クローン増殖では多様性は望めないので、私たちの祖先は20億年も前に「有性生殖」を始めた。 個体の寿命はその代償として作り出されたの…

がん発見「AIの目」実用化

がん発見「AIの目」実用化 オリンパス、正答率9割 人工知能(AI)で、患者の病変を見つけるプログラムの本格的な導入が始まる。 オリンパスは大腸の早期がんなどの診断を支援する国内初のシステムを8日に発売する。 熟練医師による診断ノウハウを再現。 早期…

抗がん剤、難しい中止の決断

抗がん剤、難しい中止の決断 患者と家族、先延ばしにならないためには 主ながん治療の一つ「抗がん剤」は、再発・進行したがんでは、一部を除いて治癒させることは難しく、効かなくなるときが訪れる。 そのとき、どうするか。患者、家族、医師らが難しい判断…

ゾウ、がん抑える遺伝子多く

ゾウ、がん抑える遺伝子多く 身長が高いほどがんのリスクが上がる。 その理由としては、体内の細胞の数が多くなるため、がん化する細胞の数も増えるからだというシンプルな説が有力だ。 しかし、ヒトより大きな動物はたくさんいるが、がんが多いとは言えない…

膵臓がん、病診連携で早期発見

膵臓がん、病診連携で早期発見 膵臓は胃の裏側にあり、画像検査でがんを見つけにくい。 自覚症状も乏しく、症状が進んでから見つかるケースが多く、診断後の生存率は他のがんに比べてかなり低い。 そこで、かかりつけ医と専門医の連携や血液検査で早期発見し…

大腸がんの手術後の食事

大腸がんの手術後の食事 何を食べても基本的には大丈夫。 「大腸癌研究会」の治療ガイドラインも、術後の生活について、「原則として食事に制限は ない」と明示している。 手術の傷を早く治し、体力を回復させるため、しっかりした食事は欠かせない。 その際…

がん免疫薬の効果増幅

がん免疫薬の効果増幅 効かない患者に光 併用物質で邪魔されず届く 北大など開発 「オプジーボ」などのがん免疫薬でも効果がないがん患者に使える治療法の研究が進んでいる。 がん免疫薬は治療が難しかったがんに劇的に効く半面、投与した患者の2~3割にしか…

運動はがんの進行を抑える?

「運動はがんの進行を抑える」 ウソ・ホント? がんは長年、日本人の死因第1位の座を独占し続けている。 多くの人にとって最も怖い病気だ。 では、がんだと宣告されたら、私たちはどうしたらいいのだろうか。 もちろん、医師と相談しながら、積極的に治療に…

身長とがんのリスク

高身長ほどリスク高い 肥満は肝臓がん、大腸がん、乳がん、子宮体がん、膵臓がんなど多くのがんのリスクを高める。 そのことは比較的よく知られているが、身長が高くなるほどがんのリスクが高まることはあまり知られていない。 英国の中年女性約130万人を9年…