心不全、重くなる前に
年をとると、休みなく働き続けてきた心臓の機能が衰え、息切れや疲労感などにつながりやすい。こうした心不全の人が増えており、見過ごされているケースもある。
重い状態に陥らないためにも、早めに対処するとともに、身近な医療機関でケアや介護を受けられると安心だ。
Yさんは約2年前に心筋梗塞を起こしたことなどがきっかけで心不全に。
体力が落ち一時は自力で歩くのが難しかったが、少しずつ回復している。
この日、Bさんの補助を受け、歩行器を使い建物の廊下を歩いたり、腰かけた状態から立ち上がるのを試みたりした。
桜が咲くころ、近くのスーパーまで歩いて買い物に行くのがいまの目標だ。
体力が落ち一時は自力で歩くのが難しかったが、少しずつ回復している。
この日、Bさんの補助を受け、歩行器を使い建物の廊下を歩いたり、腰かけた状態から立ち上がるのを試みたりした。
桜が咲くころ、近くのスーパーまで歩いて買い物に行くのがいまの目標だ。
Bさんは週に1回訪問。
Yさんの状態に合わせて「立った状態でかかとを上げる」など、無理なく1人でできる練習メニューを提示する。
日本心臓リハビリテーション学会が認定する指導士の資格ももつ。
循環器を専門とする医師も月に2回訪問する。
Yさんの状態に合わせて「立った状態でかかとを上げる」など、無理なく1人でできる練習メニューを提示する。
日本心臓リハビリテーション学会が認定する指導士の資格ももつ。
循環器を専門とする医師も月に2回訪問する。
心不全は、さまざまな原因で血液を動脈に押し出し、静脈から引き戻す心臓の機能が落ち、息切れやだるさ、むくみといった症状が出る状態をいう。
慢性心不全は年齢とともに増え、80歳以上の1割に達するともいわれる。
国内の患者は百万人以上との推測もあり、高齢化でさらに増える見込みだ。
慢性心不全は年齢とともに増え、80歳以上の1割に達するともいわれる。
国内の患者は百万人以上との推測もあり、高齢化でさらに増える見込みだ。
複数の病気を抱えがちで症状にも個人差がある高齢者の場合、患者をよく知る地域のかかりつけ医の役割が重要で、医療よりも介護やケアが大事なことが多い、などとした。
一般的に、循環器の専門医が在宅で診療するケースは少ないが、在宅の治療とケアに力を入れる循環器専門医が経営する医療機関もある。
看護師など複数の職種で患者の状態をみて、状態が悪化しそうになれば医師が緊急にかけつけて治療する。
看護師など複数の職種で患者の状態をみて、状態が悪化しそうになれば医師が緊急にかけつけて治療する。
病院の専門医と地域の医師らがうまく連携できれば、心不全に対応できる。
患者さんには、専門医とかかりつけ医の2人の主治医をもつとよい。
息切れ・むくみ サイン
ステージ「B」の人がたくさんいるという。(図を参照)
隠れ心不全はBないしCの初期にあたる。
高血圧は、心不全を招く代表例。
糖尿病も心不全の原因になりやすく、こうした病気があればまずは治療したい。
階段を上がるとすぐ息が切れる、立ち仕事でもないのに足がむくむ。
そんな場合は、ステージ「C」に進み始めている可能性がある。
首もとの皮膚が揺れて見えたら医師に相談したほうがよい。
心機能が落ちて処理できなくなった血液がたまり、首の静脈をふくらませることで起こるとされ、心不全の可能性が高いという。
治療は、高血圧など原因となる問題に対処しつつ、薬で体に余分にたまった水分を外に出したり、心臓への負担を減らしたりするのが一般的。
注意したいのは、ある段階から症状が一気に進んで生命に危険が及ぶ「急性増悪」という事態だ。
治療で命は助かっても、心機能が一層落ちやすい。
塩分のとりすぎ、薬の飲み忘れなどは心不全を悪化させやすい。
体重が週に2キロ以上増えると要注意で、患者は毎日の測定がすすめられる。
運動には心筋をしなやかにし、ポンプ機能を補って心臓を保護する働きがある。
無理のない範囲で毎日歩き、2~3日に一度のペースで下半身のスクワットに取り
組みたい。
ただ、激しい運動は心不全を悪化させる危険があり、どの程度なら安全か、事前に医師に相談する必要がある。
患者さんには、専門医とかかりつけ医の2人の主治医をもつとよい。
息切れ・むくみ サイン
ステージ「B」の人がたくさんいるという。(図を参照)
隠れ心不全はBないしCの初期にあたる。
高血圧は、心不全を招く代表例。
糖尿病も心不全の原因になりやすく、こうした病気があればまずは治療したい。
階段を上がるとすぐ息が切れる、立ち仕事でもないのに足がむくむ。
そんな場合は、ステージ「C」に進み始めている可能性がある。
首もとの皮膚が揺れて見えたら医師に相談したほうがよい。
心機能が落ちて処理できなくなった血液がたまり、首の静脈をふくらませることで起こるとされ、心不全の可能性が高いという。
治療は、高血圧など原因となる問題に対処しつつ、薬で体に余分にたまった水分を外に出したり、心臓への負担を減らしたりするのが一般的。
注意したいのは、ある段階から症状が一気に進んで生命に危険が及ぶ「急性増悪」という事態だ。
治療で命は助かっても、心機能が一層落ちやすい。
塩分のとりすぎ、薬の飲み忘れなどは心不全を悪化させやすい。
体重が週に2キロ以上増えると要注意で、患者は毎日の測定がすすめられる。
運動には心筋をしなやかにし、ポンプ機能を補って心臓を保護する働きがある。
無理のない範囲で毎日歩き、2~3日に一度のペースで下半身のスクワットに取り
組みたい。
ただ、激しい運動は心不全を悪化させる危険があり、どの程度なら安全か、事前に医師に相談する必要がある。
‘’’終末期治療中止も選択肢’’’
心不全は根治が難しい。
学会の提言は、治療だけでなく、終末期を迎えたときの対応にも触れている。
治療の多くは、つらい症状を軽くするが、終末期では、副作用による苦痛が治療効果
を上回ることもある。
そんな場合は「治療を中止してもよい」とした。
呼吸苦を和らげる目的でのモルヒネ使用も考慮される。
心肺停止時に蘇生を希望するかや最期の過ごし方について、提言は「医療者が患者や家族と事前に対話することが重要」と指摘する。
症状が重い心不全の患者は病院に運ぱれてそのまま亡くなることも多い。
提言の策定委員長は「住み慣れた自宅などで亡くなるという選択を、心不全の人がもっと実現できるようにしたい。地域の医療関係者らと方策を考えたい」と話す。
心不全は根治が難しい。
学会の提言は、治療だけでなく、終末期を迎えたときの対応にも触れている。
治療の多くは、つらい症状を軽くするが、終末期では、副作用による苦痛が治療効果
を上回ることもある。
そんな場合は「治療を中止してもよい」とした。
呼吸苦を和らげる目的でのモルヒネ使用も考慮される。
心肺停止時に蘇生を希望するかや最期の過ごし方について、提言は「医療者が患者や家族と事前に対話することが重要」と指摘する。
症状が重い心不全の患者は病院に運ぱれてそのまま亡くなることも多い。
提言の策定委員長は「住み慣れた自宅などで亡くなるという選択を、心不全の人がもっと実現できるようにしたい。地域の医療関係者らと方策を考えたい」と話す。
私的コメント;
安楽死にも関係する非常にデリケートな問題です。
一歩間違えれば医療訴訟となります。
日本心不全学会がそこまで踏み込んでいるのにはびっくりですが、日本医学会レベルでのコンセンサスが必要と思われます。
安楽死にも関係する非常にデリケートな問題です。
一歩間違えれば医療訴訟となります。
日本心不全学会がそこまで踏み込んでいるのにはびっくりですが、日本医学会レベルでのコンセンサスが必要と思われます。