耳鳴り 脳の過度な興奮が原因

耳鳴り 脳の過度な興奮が原因

耳鳴りは、成人の10人に1人以上が抱えているといわれる。
原因はさまざまだが、多くは難聴を伴っていると考えられる。
 
加齢性難聴や突発性難聴メニエール病のほか、ストレスやうつ病によることもある。
原因が不明の場合もあるが、特定できれば、その病気を治療する。
 
日本聴覚医学会が5月に出版した耳鳴りのガイドラインによると、カウンセリングで耳鳴りの仕組みや向き合い方を伝え、改善を支援することが大切という。
考え方を変えることで、精神的な苦痛を和らげる認知行動療法も効果が高い。
耳鳴りそのものを薬で改善させるのは適当ではないとした。
難聴が原因の場合は聞こえを補い、耳鳴りを抑える補聴器療法も有効とした。
 
音がうまく聞き取れないと、脳はこれまでのように音を認識しようと頑張ってしまう。
この過度な興奮が耳鳴りの原因だ。
聴力の低下が始まる20代以降、耳鳴りは誰にでもあるという。
 
耳鳴りに気づくと「これまでと違う音が聞こえた」と「注意の脳」が働く。
ストレスなどを感じる「苦痛の脳」や、自律神経が連動して「苦痛のネットワーク」を形成し、より耳鳴りを大きく感じさせる。
この仕組みを理解するだけで、改善する人もいるという。
 
難聴がある人の補聴器療法は、聞こえない音を補って脳の興奮をおさえ、耳鳴りを軽減させる治療だ。
済生会宇都宮病院では週1回、専門の言語聴覚士が補聴器を調整し、3カ月間ほど朝から寝るまで一日中、患者につけ続けてもらう。
慣れるまでは負担だが、多くの人は難聴が改善すると耳鳴りも自然と気にならなくなるという。
私的コメント
飛蚊症の気にし出すと、途端にたくさん目の中で飛び始めます。
耳鳴りもそういうことなのでしょうか。
静かなことを「シーン」と表現するのは、もともと誰もが「シーン」という耳鳴りが聞こえるからだと、以前「チコちゃんに叱られる」で放送していました。
http://tmbi-joho.com/2018/10/22/chikochan-reg25/

補聴器は医療機器だ。
ネット通販などで買える補聴器は、個人の聴力に応じて調整していないことが多い。
安価なものは、医療機器ではない「集音器」の可能性があり、耳を痛める恐れもある。補聴器の細かな調整に対応しているか、言語聴覚士がいるかなどを調べ、補聴器療法に対応している医療機関を探したい。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2019.6.21