自分らしく生き、死ぬための準備

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カトラン 完全オリジナル石版画 1988年作「蘭」
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先週、文芸春秋の「最高の医療・総特集」から鎌田實氏の
書いた記事を紹介させていただきました。

かかりつけ医をもとう
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2007/10/3

今日はその続きです。
サブタイトルは「自分らしく生き、死ぬための準備」です。

以下少し内容の紹介です。

「辻本好子さんが代表を務める「ささえあい医療人権センターCOML」
がつくっている「医者にかかる十箇条 あなたが”いのちの主人公・
からだの責任者”」を紹介します。
1.伝えたいことはメモして準備
2.対話の始まりはあいさつから
3.よりよい関係づくりはあなたにも責任が
4.自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
5.これからの見通しを聞きましょう
6.その後の変化も伝える努力を
7.大事なことはメモを取って確認
8.納得できないときは何度でも質問を
9.医療にも不確実なことや限界がある
10.治療法を決めるのはあなたです

普段からかかりつけ医とこうしたコミュニケーションを
とっていれば、大病を患ったときも大いに頼りになります。」

<コメント>
鎌田氏は、友人である辻本氏のこの10か条を紹介しています。
医師とのコミュニケーションはかくあるべしといったこと
のようです。
医師も患者との良好なコミュニケーションを求めているのは
当然ですが、よほど深刻なケースでなければ患者さんの
メモを目の前に持ち出すような行為は医師にはあまり歓迎
されません。
取材をされているようでもあり言質を取られているようでも
あるからです。
患者サイドからだけではなく医師側の目線も欲しいと
思います。
しかしメモが必要な場合も当然あります。
その際には医師にひと言、声をかけるのが礼儀と思われます。
この十箇条も、ケースバイケースであることを理解しておく
必要があります。
COMLのHPを訪れてみましたが、医療側からの「医療者の
ホンネと悩みホットライン」が取り上げられているのには
好感を持ちました。
しかし、このホットラインが年1回というのはいかにも
残念です。

私は医療の中でトラブルの起こりそうな(予感のある)患者
さんは、出来るだけ早く病院に紹介します。
長年医者をやっていると最初からケンカ越しの患者さんも
希にお見えになります。
無床診療所の一開業医(零細企業)としては、訴訟にでも
巻き込まれたら大変です。
保身的になるのも当然といえば当然です。
開業医は経営者でもあり、家族や職員がいるわけですから
”○○危うきに近寄らず”です。
医師が患者さんを見る目も、患者さんが医師を見る目と
同様に大切なのです。

開業医の本音をちょっと言い過ぎてしまいました。

ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
http://www.coml.gr.jp/

さらに文章は続きます。
「老いても健康でいるためにも、かかりつけ医を持つ
ことは大切です。
健康的に老いるためには、まず規則正しい生活習慣
を身につけるよう心がけること、さらには社会活動
の実践や交友関係を広げることで、自分の生き甲斐
となるような活動を行うことが重要です。
そして定期的な健康管理や、生活履歴を考慮した診察
やアドバイスをうけられるかかりつけ医がいることが、
癒しといったメンタルな要素を含めて、高齢者の心身
両面の健康管理の上では望ましい。」

<コメント>
規則正しい生活が認知症予防に大切であることは以前
紹介させていただきました。
アルツハイマー病 勤勉さが発症抑制?
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/4297597.html

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録http://wellfrog.exblog.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞくhttp://blog.m3.com/reed/200708