110歳まで生きられる! 脳と心で楽しむ食生活 その3

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前回に引き続き家森幸男先生の本からの
紹介です。

今110歳まで生きられる!  
脳と心で楽しむ食生活
家森幸男 著  生活人新書  
日本放送出版協会 発行


長寿国をつくった食生活 長寿探求の旅はグルジアから始まった


長寿探求の旅の旅の始まりの地として、私たちは
黒海カスピ海にはさまれたコーカサス地方を選び
ました。
理由は単純で、世界中を見渡したとき、この地域が
センチナリアンと呼ばれる100歳以上のお年寄り
がたくさんいる、トップクラスの長寿地域だった
からです。なかでもねらいをつけたのが、とくに
長寿で知られるグルジアでした。

コーカサスはロシア、アルメニア、アゼルバイジ
ャン、グルジアの東欧4カ国からなる世界でも有数
の長寿地域です“センチナリアン”と呼ばれる100 歳を
過ぎたお年よりが、長老として尊敬され、実にいき
いきと暮らしておられます。
そんなセンチナリアンの長寿の秘訣を探るため、
グルジアで調査を行いました。
コーカサスの人々はブドウやプルーンの皮も種も一緒
に食べます。
そうすると食物繊維やカリウム、そして老化を防ぐ
ポリフェノールがたっぷり摂れるのです。
さらに素晴らしいのがヨーグルトです。
グルジアの人は毎日ヨーグルトをたくさん摂っています。
日本の漬物のように、それぞれ家に伝えられている
もので、どの家にも自家製のヨーグルトがあります。
このヨーグルトが腸の調子を整え、また免疫力をも
高めてくれているようです。
そしてもう一つ大切なことは、センチナリアンがいつ
までも社会の中で重要な役目を担い、家族とともに食事
を楽しんでいるということだと言えるでしょう。


グルジア人の食生活を読み解く

調査して特徴的だったのは、コレステロールの値が日本人と
それほど大きくは変わらなかったこと、そしてナトリウムの
値とカリウムの値がともに高かったことです。
コレステロールの値は一般に、蛋白質をたくさんとれば
高くなります。
蛋白質は主に肉などに含まれ、グルジアの人たちは日本人
よりもたくさんの肉を食べていましたから、コレステロール
の値も高くなるはずです。
しかし、実際のデータは違いました。
理由の一つは、肉の食べ方にありました。
グルジアでは、ゆでたり蒸したりして肉の脂肪分を除いて
食べる料理が中心です。
牛や羊の肉をシャシュリク(シシカバブ)と呼ばれる串焼き
にして食べますが、これも焼く前に肉を細かく切るので、
肉の中の脂肪をよく落とすことができます。
ここで、ポイントとなるのは味付けです。
塩ではなく、何十種類もの香辛料を使う。
串焼きでなく、大きな鍋で羊や子牛を内臓ごとゆでて食べる
ハシュラマという料理もありますが、油が出てギドギドした
お湯は全部捨て、やはり食塩をつけずに香辛料をつけて食べ
ます。



食塩に含まれるナトリウムはコレステロールの吸収を
うながします。
その食塩の代わりに香辛料を使うことで、コレステロール
吸収を抑えているのです。
さらに、香辛料は抗酸化栄養素ですから、コレステロール
なかでも悪玉が酸化されて動脈硬化を起こすのを防ぐことも
できます。



カリウムには、ナトリウムの害を打ち消す効果があります。
ですから、たとえナトリウムが高くても、カリウムの値が
負けないくらい高ければ、健康は保てます。
カリウムは野菜や果物に多く含まれており、グルジアでは
日常的にたくさん食べています。



グルジアの野菜の多くは香味野菜です。赤や青のカラフル
シソの葉のようなもので、食べるとワサビの味がします。
各家庭の裏庭に植えられていて、いつでも裏庭から持って
きて、採りたてを好きなだけ食べられます。




香辛料と同様に抗酸化作用がありますから、悪玉コレステ
ロールが酸化されて動脈硬化を起こすことも防げます。」

<コメント>
家森先生は世界25か国の料理、しかも日常的に食べられ
ている家庭料理にまで踏み込んで寿命と食事の関係を研究
されました。
ただただ敬服します。
食事は一生かけて1日3回していくわけです。
まさに医食同源です。


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