長い咳はマイコプラズマに要注意

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前回マイコプラズマ肺炎が流行していることを書きました。

昨日、中3の男の子が来院されました。

最近、微熱が続き、咳がしつこく出て夜は咳き込んで吐きそうになるということでした。
4~5日前に別の内科医に溶連菌の診断を受けて抗生剤を飲み続けているとのこと。

溶連菌で咳が出るのは変だなとお話を伺いながら思っていましたが、部活で咳を長くしている子がいるということが聞き出せました。
件(くだん)のマイコプラズマ肺炎のことを思い出し、胸部レントゲンと迅速試験を行いました。

迅速試験の結果はやはり陽性で、レントゲンでもはっきりと典型的な影が出ていました。

潜伏期から考えて、マイコプラズマ感染の潜伏期間中に溶連菌に罹患。先に溶連菌感染が発症したものと推定されました。

飲み続けていた抗生剤は残念ながらこのタイプの肺炎には効かないため、変更して飲んでいただくことにしました。

同じ日、68歳の方がマイコプラズマ肺炎でした。高齢の方がかかられるのは、比較的珍しいケースです。


臨床医の仕事は患者さんの話をよく聴いて、診断(解決)にもっていく探偵ごっこです。
皆さんはあまりご存知ないかも知れませんが、診断さえきちんとつけば、あとの治療はあまり変わらないものです。

しかし診断が違っていた場合には・・・・・。




ウィリアム・オスラー(1848-1919)
「医学は患者と共に始まり、患者と共にあり、患者と共に終わる」、
Osler said medicine “should begin with the patient,
continue with the patient, and end with the patient”.

自分の目で見、聞き、そして心で感じることをベッドサイドで行うことが大切です。
・Fifteen minutes at the bedside is better than three hours at the desk.
・It is by your own eyes and your ears and your own mind
and (I may add) your own heart that you must observe and learn.

新潟市民病院・研修の理念
http://www.hosp.niigata.niigata.jp/shimin_hosp/menu_02/kensyu_rinen.htm
  (こんな言葉を掲げる病院は素敵です)




保存の給食から菌は検出されず O157感染源は外部か
  大阪市北区無認可保育所「ポポラー大阪天六園」で起きた病原性大腸菌O(オー)157の集団感染で、市は7日、園内で調理された給食からO157は検出されなかった、と発表した。園外で感染した園児を通じ、園内で二次感染が広がった可能性が高まった。市は今後、感染した乳幼児の園外での食事内容を調べるなど、感染源の特定を進める方針。

 市保健所によると、同園が7月23日以降、最初に園児の感染を知った8月1日までに計5日間、ビニールプールで園児に水遊びをさせていたことが判明。死亡した3歳女児を含む感染者5人全員が水遊びをした日もあり、市は二次感染の原因となった可能性があるとみている。

                        2007年08月07日 朝日新聞


<コメント> 
O157が日本全国で、何年ぶりかで散発的に流行しています。
知識のおさらいをして自己防衛をしてください。

O157 Q&A
http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/index.html




医療専門のブログは別にあります。

井蛙内科開業医/診療録  http://wellfrog.exblog.jp/