今冬はインフルエンザワクチンには頼れません!
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t303/201712/553955.html?n_cid=nbpnmo_mled_html-new-arrivals
供給不足はなぜ起きた
使用するワクチン株はA(H1N1)pdm09型(AH1pdm09)、A香港(H3N2)型(A[H3])、B(山形系統)、B(ビクトリア系統)の4種類。
ワクチン株は鶏卵で増えやすくする工程(卵馴化)をたどるが、近年特にA(H3)で、その工程で抗原変異が生じる問題が起こっている。
ここ6〜7年のA(H3)はこの傾向を示しており、今後も継続すると考えられる。

実は近年、卵馴化による抗原変異を生じない「A/埼玉/103/2014(CEXP002)」というA(H3)ワクチン株(以下、埼玉株)が発見されていた。埼玉株は発育鶏卵で20回継代しても抗原性の変化が少ない特殊なワクチン株で、昨シーズンのA(H3)ワクチン株「A/香港/4801/2014(X-263)」(以下、香港株)と比較しても、有効性の改善が期待された。

ところが、埼玉株の製造効率は非常に悪いことがメーカーの報告で判明。
埼玉株のまま製造を進めると、ワクチン供給量が昨年度比で7割程度に落ち込むと予想された。

流行シーズンを前にして、希望してもワクチン接種を受けられないケースが相当数発生し、社会的な混乱が生じる可能性が高いと判断されたことから、昨シーズンと同じ香港株に選定し直した結果、製造に遅れが生じた。

このような背景から、感染研は今年のワクチン株に埼玉株を選んでいた。
世界的に頭を悩ませているA(H3)の抗原変異の問題を解決できるとして、国内外の専門家が注目していた。


流行ウイルス、全国的にはAH1pdm09が47%
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/flu/topics/201712/553892.html?ref=RL2
11月26日までの1週間で、全国的に流行期入りしたインフルエンザ。気になるのは流行しているウイルスのタイプだが、国立感染症研究所の集計によると、全国的にはA/H1N1pdm2009が47%と最多だった。
ただし、岩手県、栃木県、富山県、石川県など8県はA/H3N2のみで、地域的に流行ウイルスが異なることも明らかになった。