首の痛み、手・足のしびれ伴うと要注意 脊髄・神経根を圧迫も
首の痛みに悩まされる人は多い。
寝違いのようにしばらく安静にすると治る場合もあるが、慢性的なときもある。
手や足のしびれを伴うような場合には重要な神経が圧迫されている可能性があり注意が必要だ。
痛みの原因は多様で安易にマッサージなどを受けない方がいい場合もある。
首の痛みにかかわる病気はさまざま。
診察する医師は数十種もの病気を考えるという。
骨折や捻挫など骨や筋肉などの外傷による以外にも多くの原因がある。
もっとも多いのは筋肉の疲労や緊張で、湿布などで治り特別な治療はいらない。
10秒テストで確認
注意したいのは腕などにしびれや麻痺を伴うとき。
骨や軟骨、靱帯が脊髄や脊髄から枝分かれした神経の束「神経根」を圧迫することで症状がでる。
骨が神経を圧迫して起こる代表的な病気が頸椎症。
40歳以上になると骨にとげのような部位ができ、それが脊髄や神経根を圧迫する。
軟骨が神経を圧迫するのは頸椎椎間板ヘルニア。
衝撃や加齢で骨の間にある軟骨が飛び出して脊髄や神経根を圧迫する。
遺伝病などで靱帯が太くなり神経を圧迫する病気もある。
脊髄を圧迫する場合を特に注意しなければならない。
軟骨や骨などによって脊髄が圧迫されると、首の痛みだけでなく背中に電撃のような痛みが走る。
腕にまひがでて、ボタンをかけることや、字を書くことなどが難しくなる。歩行障害や排尿障害などの症状もある。
脊髄は中枢神経で、傷つくと治りにくい。
日本人は脊髄の通る脊柱管が狭く、脊髄を圧迫して傷めやすいといわれる。時間とともに悪化する場合が多く、医師にもよるが、歩行障害が出るほど悪くなると手術することになる。
脊髄の障害の有無を確認する方法として有名なのが「10秒テスト」。
障害があると手を動かしにくくなるため、10秒間に手を開いたり閉じたりすることを繰り返す。
20回以上できれば問題ないが、できない場合は疑いがあるので受診しよう。ただ、70歳以上になると健康でもできない場合があるという。
骨や軟骨などで神経根を傷めた場合は首だけでなく、腕にしびれなどが起こり、肩が上がらなくなることもある。
薬で痛みを軽減する保存療法や患部を温める温熱療法などをして経過を観察する場合が多い。
痛みは内臓の病気が原因で起こる場合もある。
心筋梗塞、肺やすい臓などの疾病によっても起こる。
軽い運動をしたときや首を動かしていないときに痛む場合や、徐々に悪化している場合は注意が必要だ。
首の痛みでよく耳にするのは寝違い。
寝違いのメカニズムは医学的にはまだきちんと分かっていない。
頸椎椎間板ヘルニアにならない程度に傷んだ椎間板によって起こるともいわれる。
時間がたつと回復する場合が多いが、何度も繰り返すとヘルニアになる可能性を指摘する医師もいる。
猫背姿勢は避けて
予防のために日ごろから気をつけるのはまず姿勢。
猫背にならないように、背筋を伸ばしてあごを軽く引く。
頭の上から引っ張られているような姿勢がいい。
予防は軽い体操から
さらに筋肉をリラックスする軽い体操。
首と肩の筋肉は連動している。
両肩を持ち上げて脱力することを繰り返す運動や肩を回す運動などが効果的。
さらに首を左右に傾けて筋肉を伸ばすストレッチなどをする。
首の筋肉を鍛えることも効果があるといわれる。
一般的な体操は自分の手を顔の横にあてて顔と手で数秒間押し合う。
ただ、首に痛みがある場合や神経症状がある場合はひかえて医師に確認する。
痛みを和らげるためのマッサージも注意しよう。
受けた後にリバウンドで痛みが増す人や、麻痺やしびれなどの症状がある人は医師に確かめる。
首の症状はさまざまな病気で起こる。
気になるときは日ごろの痛み方を把握して専門医の受診を考えてほしい。
<関連サイト>
首の痛み 予防のための体操
https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/696
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