自分で血圧コントロール

自分で血圧コントロール   高血圧に注意 

高血圧は放っておくと動脈硬化につながり、脳卒中心疾患などの重大な病気のリスクが高まる。

 

高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)とも呼ばれる。

血圧が高いままにしておくと血管に負荷がかかり、知らず知らずのうちに動脈硬化が進む。

 

そもそも血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す圧力のことだ。

血液の量や血管の柔らかさなどで決まる。

心臓が収縮して血液を送り出したときの値を最高血圧、心臓が拡張したときの値を最低血圧といい、この二つを測る。

 

日本高血圧学会によると、診察室で測る値の場合、最高血圧が140ミリHg以上か、最低血圧が90ミリHg以上ある場合(140/90)、高血圧と診断される。

診察室では少し高めに出るため、家庭の値では、135/85以上が高血圧だ。

 

血圧を正常に保つためには末梢血管を開くことが大切だ。

末梢血管は手や足などの体の末端にあり、体の隅々まで栄養や酸素を遅んでくれる。

この血管に血液が流れ込む抵抗が強いと血圧が上がるため、この血管を開くことが結果的に血圧を下げることにつながる。

手足の先が冷たい人や太り気味の人、喫煙者は要注意だ。

 

有酸素運動で「末梢血管を開く」 減塩など食事も組み合わせ

末梢血管を開くポイントの一つは(例えば屋内での)有酸素運動だ。

 

食事も重要だ。

塩分を控えるよう心がけ、ドレッシングなどの量を少なめにするといい。

血圧の上昇を抑える効果があるとされる成分のGABAも注目されている。

大豆もやしに多く含まれる。

最新の技術を使い、GABAを多く含むトマトの開発も進んでいる。

野菜や果物を食べる以外にも、ラーーメンなどのスープは少し残すとい

う心がけも大事だ。

 

こうした試みを続けつつ、それが結果として表れているかを知るにはきちんと記録することも欠かせない。

家庭の血圧計だけでなく、最近ではウェアラブル端末も登場した。

オムロンヘルスケアは昨年12月、腕時計型の血圧計の発売を開始。

血圧は場所や時間帯で変わるが、これなら外出先や職場など、気になったときに測定できる。

 

端末を付けた腕を胸の位置まで上げ、落ち善いた状態で測る。

歩数や歩行距離、睡.眠時間なども記録でき、専用アプリでデータも管理できる。

生活習慣と自分の血圧の関係を知るのに役立つ。

 

そのときどきの結果に一喜一憂せず、1週間やIカ月といった長期の傾向を見ることが大切だ。

血圧の薬をのみ始めたらずっとのみ続けないといけないと思う人もいるが、うまく生活習慣を改善できれば薬を減らしたり、一時的に中断したりできる可能性もある。

ただ、それでも血圧コントロールが困難なら、医療機関を受診したい。

 

参考・引用一部改変

朝日新聞・朝刊 2020.2.15