新型コロナウイルスの治療薬候補

5つの治療薬候補、臨床研究急ぐ

新型コロナウイルスの治療薬を巡っては現在、主に5種類の候補薬の臨床研究が国内で行われている。

医療関係者は期待できる効果と副作用の見極めを急いでいる。

 

国立国際医療研究センターでは4種類の候補薬の投与を計画。

酸素補給が必要などの肺炎患者を対象に、エボラ出血熱向けに開発された「レムデシビル」の臨床試験がベースになる。

 

肝臓への影響が出る副作用の可能性が指摘されており、肝障害があるか妊娠中や透析中の患者、治験薬へのアレルギーがある人は適用外になる。

適用外患者にはインフルエンザ薬「アビガン」、急性膵炎の治療薬「ナファモスタット」の投与を検討する。

ただし、妊婦は使えず、肝障害の恐れもあり、具体的な対象患者は決まっていない。

 

肺炎になる前の患者にはぜんそく用吸入薬「オルベスコ」を試みる。

副作用のリスクが比較的少ない。

 

国内では抗エイズウイルス(HIV)薬「カレトラ」も加えた5種類が主な候補薬。

 

いずれも幅広い患者の有効性は確認されてはいない。

重症化が進むと効果が見られない事例もある。

 

新型コロナウイルスは患者自身の免疫系の暴走などにより、急激に重症化するとみられている。

タイミングが遅いと回復は見込めないが、早過ぎれば副作用のリスクと効力が見合わない。

症例を積み上げ、投与を開始する判断基準をつくっていく必要がある。

 

参考・引用一部改変

日経新聞・朝刊 2020.4.6

 

<関連サイト>

新型コロナ感染症の治療薬候補薬

https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/961