コロナ判定、唾液で10分

コロナ判定、唾液で10分 キヤノン系が9月発売

キヤノンメディカルシステムズは新型コロナウイルスの感染の有無を唾液などから短時間で検査できるシステムを9月に発売する。

「ランプ法」と呼ばれる手法を使い、前処理した検体から約10分で陽性かどうか判定できる。

主流のPCR検査に比べて時間を短縮できるほか、導入コストも抑えられるという。

空港など即日検査が必要なケースでの需要も見込む。

 

ランプ法は新型コロナの検査手法の一つで、遺伝子を一定の温度で早く増幅させることができる。

検査では唾液や鼻の粘膜から抽出したウイルスの遺伝子を増やして感染の有無を判断する。

 

キヤノンメディカルはランプ法による独自の試薬を開発し、ランプ法の特許を持つ栄研化学とライセンス契約を結んだ。

前処理にかかる時間を含めても約40分で陽性かどうかが分かり、栄研化学が用いる検査システムに比べても短時間で診断できる。

 

検査装置には既にジカ熱向けなどで販売している製品を活用し、月100台以上の供給体制を整えた。

医療機関のほか空港などでの導入も想定する。

飛行機内で搭乗者の唾液を採取し、着陸後に全員分の検査を一括で行うなどの活用も見込む。

 

DNAの加熱・冷却を繰り返しながら遺伝子を増幅させる必要があるPCR検査にくらべて安価な装置での検査が可能で、初期コストも抑制できるという。

既に国などが実施する「行政検査」ではキヤノンメディカルの製品も採用され、PCR法と同程度の精度が得られているという。

 

参考・引用一部改変

日経新聞・朝刊 2020.8.3

 

 

<関連サイト>

新型コロナのPCR・抗原定量検査、無症状者でも「唾液」を検体とすること認める―厚労省

https://gemmed.ghc-j.com/?p=35084