コロナは「再感染」ある 米国や香港で事例確認の論文 ①

コロナは「再感染」ある 米国や香港で事例確認の論文 ①

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO63915800W0A910C2000000?channel=DF140920160927

新型コロナウイルス感染症を発症し、いったん治癒した人が、再びこのウイルスに感染する「再感染」の事例が、米国や香港から相次いで報告されている。

 

再びPCR陽性となった例が、本当に再感染かどうかは不明だった

これまで、新型コロナウイルスに感染すると、ウイルスに対する抗体が体の中に産生されるものの、比較的短い期間しか維持されない、という報告はあった。しかし、いったん新型コロナウイルス感染症を発症した人が、一定期間を置いて再び感染することがあるのかどうかについては、明確なエビデンスはなかった。

コメント

以前から言われているように「抗体が比較的短い期間しか維持されない」ということが事実であれば、自ずからワクチンの限界があります。

動物実験でワクチンによる抗体産生が確認はされていますが、持続日数がどのくらいかという十分な検討が必要です。

 

日本国内でもこれまで、新型コロナウイルス感染症と診断されて治療を受けた患者が、PCR検査で2回陰性となって退院したものの、その後に行ったPCR検査で陽性だったという事例や、治癒後に再び症状が現れて、検査をしたら陽性だったという事例の報告は少なからずあった。

 

この現象の説明として、「体内にはウイルスが居座っているものの、検体を採取する部位に存在するウイルスの量が検出限界すれすれだったために、一時的に陰性結果が出た(つまり、再感染ではない)」という考え方もあれば、「いったん治癒した後に再度感染した」という考え方も成り立つが、どちらが正しいのかは明らかではなかった。

初回に検出されたウイルスと2回目に検出されたウイルスのゲノム配列を比較する作業が行われていないからだ。

 

しかし今回、香港と米国において、確実に再感染したといえるケースが確認され、論文として報告された。

 

香港では退院4カ月後の男性が検疫所で受けたPCR検査で陽性に

香港から報告されたのは、香港在住の33歳の男性の事例だ。

この男性は、咳と痰、咽頭痛、発熱、頭痛が3日間続いたため新型コロナウイルスPCR検査を受けたところ、2020年3月26日に陽性と判定された。

3月29日に入院し、症状は改善。連続する2回のPCR検査が陰性となったため、4月14日に退院しました。

 

しかし退院から4カ月後に当たる8月15日、スペインから英国経由で香港に帰国したこの男性が検疫所でPCR検査を受けたところ、陽性となって、2度目の感染が発覚した。

患者は再度入院しましたが、退院まで一貫して無症状だった。

 

入院時のCt値[注1]は26.69で、気道には多くのウイルスが存在していたが、ウイルス量はそれ以降、日に日に減少した。

胸部X線検査を複数回行ったが、異常は見られなかった。

 

[注1] Ct値:

PCRで標的とするウイルス遺伝子を倍々増幅させる過程で、ウイルス遺伝子の量が設定された閾値に達した時点までに要した増幅回数。

標本中に含まれているウイルス遺伝子が多ければ、少ない増幅回数で十分に検出でき、ウイルス遺伝子が少なければ、検出可能になるまでに要する増幅の回数が多くなる。

つまり、Ct値が低いほど、検体の中に含まれていたウイルス遺伝子量が多いことを示す。