英、2種類のワクチン接種治験 別会社製、2回目で
英政府は4日、2種類の新型コロナウイルスのワクチンを接種する臨床試験(治験)を始めると発表した。
現在は同じ種類のワクチンを2回接種しているが、別の製薬会社が開発したワクチンを2回目に接種しても有効かどうかを確かめる。効果が確認されれば、より柔軟なワクチン供給が可能になるとしている。
コメント;
「追加免疫」という概念を度外視すれば、興味深い結果ないしは思わぬ結果が得られるかも知れません。
ワクチン作用機序が異なるワクチンを2回目に接種すれば、もし有効であっても「追加免疫」とは異なる機序による効果ということになります。
また、有効性の持続期間についても検討する必要がありそうです。
発表によると、治験は2月半ばから13カ月の予定で800人以上が参加する。
コメント;
「800人以上」ということですが、いかにも少ない症例数ではないでしょうか。
倫理委員会や、英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)から治験の
許可を得ていて、今年夏には初期データを公表できるとしている。こうした取り組みは世界初といい、英政府は700万ポンド(約10億円)を拠出する。
英国では、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフオード大学が開発したワクチンや、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンなどを12週間隔で2回接種している。
これまでに1000万人以上が1回目の接種を受けた。
コメント;
・「1回目の接種後、通常、3週間の間隔で2回目の接種を受けてください(接種
後3週間を超えた場合は、できるだけ速やかに2回目の接種を受けてくださ
い)」。
・「1回目に本ワクチンを接種した場合は、2回目も必ず同じワクチン接種を受け
てください」
・「十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とさ
れています」
としています。
参考サイト
1回目の接種後、通常、3週間の間隔で2回目の接種
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html
治験では、1回目にアストラゼネカのワクチン、2回目にファイザー
のワクチンを接種するグループや、順番を逆にするグループ、同じワクチンを2回接種するグループなど8つに分けて効果を見極める。接種の間隔についても4週間と12週間の違いを確認する。
一般的にワクチンは開発に5年ほどかかるが、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を受けて製薬会社などは1年未満で実用化した。
生産も始まったばかりで、世界の需要に応えられるかどうかが課題となっている。
治験の責任者は「グローバルな供給に制約がかかる可能性がある中、より柔軟な接種計画につながるデータを持てる」と強調する。「ワクチンの組み合わせにより、免疫反応が強化される可能性もある」としている。
コメント;
欧米のワクチン製薬メーカーの、スピードや資本力も含めた開発力の高さには日本と比較してスケールが違います。
一事が万事、現時点では日本の製薬メーカーは国際競争力においてまったく太刀打ち出来ません。
もし、国産ワクチンが製品化されたとしても、他国がすでに開発したワクチンを凌駕するものでなければなりません。
大きなハンディと言えそうです。
参考・引用一部改変
日経新聞・夕刊 2021.2.5