デルタ株やラムダ株 感染力、症状の重さとワクチンの効果

デルタ株やラムダ株 感染力やワクチンの効果、症状の重さは?https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20210813b.html

感染力が強い変異した新型コロナウイルス「デルタ株」。

首都圏での感染は、すでにほぼデルタ株に置き換わっていると推定される。

 

変異ウイルス

国立感染症研究所は従来より感染力が高かったり、ワクチンの効果を弱めたりと、性質が変化した可能性がある変異ウイルスを「懸念される変異株=VOC」に、同様の影響を与える可能性が示唆される変異ウイルスを「注目すべき変異株=VOI」に分類して監視を強化している。

 

厚生労働省によると、8月6日時点、国立感染症研究所がVOCに分類しているのは4種類。

・イギリスで見つかった「アルファ株」

南アフリカで最初に見つかった「ベータ株」

・ブラジルで広がった「ガンマ株」

・インドで見つかった「デルタ株」

コメント

南米で確認されたラムダ株は入っていません。

 

第5波 デルタ株が猛威 感染力は

WHO(世界保健機関)によりますと、デルタ株は2020年10月にインドで初めて報告され、2021年4月以降のインドでの爆発的な感染拡大の原因の1つとみられている。

WHOは最も警戒度が高い、VOC(懸念される変異株)に位置づけていて、デルタ株が報告されている国や地域は2021年8月10日現在で142に上る。

 

「デルタ株」はウイルスの突起の部分にあたる「スパイクたんぱく質」の遺伝子に、「L452R」「P681R」などの変異があり、感染力の高まりに関わっているとされている。

「デルタ株」の感染力については、従来のウイルスやイギリスで最初に確認された「アルファ株」などと比べて高まっているとされている。

 

デルタ株の感染力(国内外の研究)

従来のウイルスに比べて  2倍程度

アルファ株に比べて     1.5倍程度

 

またWHOによると、中国のグループの研究では、「デルタ株」に感染した人では体内のウイルスの量が従来のウイルスなどと比べて1200倍多かったということで、感染力の強さとの関連が指摘されている。

コメント

中国では、新型コロナウイルスはほぼ撲滅されたというイメージがあるので、こういった研

究がされているのは少し不思議です。

 

国立感染症研究所が8月11日に示した推計では、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3

県ではおよそ95%が、大阪府京都府兵庫県の3府県では84%が「デルタ株」に置き換わっているとみられる。

 

デルタ株 症状の重さは?

感染した場合に重症化しやすいかどうかについては各国で研究が進められている途中だが、WHOでは入院に至るリスクが高まっているとされる。

 

その中でカナダのトロント大学のグループがまだ専門家の査読を受けていない段階で2021年8月に示した研究では、20万人の新型コロナの患者を分析した結果、デルタ株は従来のウイルスなどに比べて入院するリスクが2.08倍、ICUが必要になるリスクが3.34倍、死亡するリスクが2.32倍になっていたとしている。

 

デルタ株の症状の重さ(カナダ・トロント大学の研究グループ)

従来のウイルスに比べて  

  入院リスク 2.08倍   要 ICUリスク   3.34倍       死亡リスク 2.32倍

 

デルタ株 ワクチンの効果は?

「デルタ株」に対するワクチンの効果について、WHOは2021年の7月27日の文書の中で、実験室レベルの研究では「デルタ株」に対してはワクチンによってできる中和抗体が少なくなるという結果が出ているとした。

 

ただ現在使われているワクチンは効果が非常に高いことなどから、これによって実際にワクチンを接種した際の効果自体が下がる訳ではないとしている。

 

そのうえで、例えばアストラゼネカファイザーのワクチンについては、感染を防ぐ効果や発症を防ぐ効果については「アルファ株」に比べて「デルタ株」では効果が下がる傾向があるものの、重症化を防ぐ効果に関しては「デルタ株」に対してもそこまで大きな差は無いか、もしくは全く差が見られなかったとしている。

 

デルタ株が広がった2021.7(米国・メイヨークリニックなどの研究)

ファイザー 感染を防ぐ効果 41%    入院を防ぐ効果  75%

モデルナ  感染を防ぐ効果 76%    入院を防ぐ効果  81%

コメント

デルタ株に対してワクチンは、発症や感染を予防する効果は多少落ちてしまうということはあるようです。

しかし、間違いなく明らかなことは、ワクチン接種によって重症化や死亡を防ぐという効果がかなりあることです。

 

南米中心に広がる「ラムダ株」

WHOにると、変異ウイルスのラムダ株は2020年8月に南米のペルーで初めて報告され、ペルーやチリ、エクアドルなどの南米諸国を中心に広がっている。

 

世界中の新型コロナウイルスの遺伝子配列を登録するウェブサイト「GISAID」には2021年8月15日の時点でラムダ株が34か国から報告されているが、この4週間で見ると登録のほとんどは南米のチリからとなっている。

 

従来のウイルスより感染力が強まっている可能性やウイルスの働きを抑える中和抗体が効きにくくなる変異があり、WHOはVOI(注目すべき変異株)に位置づけているが、現在のところ、デルタ株やアルファ株などのVOC(懸念される変異株)に位置づけられている変異ウイルスほどの広がりは見られない。

 

ラムダ株について国立感染症研究所は今のところ、VOC(懸念される変異株)にも、VOI(注目すべき変異株)にも位置づけていない。

 

ラムダ株は感染力や感染した場合の重症度などについてまだ分かっていないことが多く、WHOは感染を抑える対策やワクチンの効果に影響が出るかどうかさらに調べる必要があるとしている。

 

ラムダ株は、実はデルタ株より時期的には早くに見つかっているが感染拡大のスピードはデルタ株のほうがラムダ株より速く、各国でより差し迫った問題となっている。

 

ラムダ株 7月に国内で初感染確認

7月には、国内で初めてラムダ株の感染が確認された。

厚生労働省によると、ペルーから羽田空港に到着した30代の女性が、検疫所の検査で新型コロナウイルスに感染していたことが確認され、検体の遺伝子を解析した結果、「ラムダ株」が検出されたという。

 

厚生労働省は、ラムダ株について「情報が限られているため、現時点では評価が難しい。引き続きWHOや各国政府、専門家と情報を共有しながら監視体制を強化していきたい」としている。

コメント

新型コロナウイルスは2週間に1回変異を起こしていて、さらに広がりやすいウイルスが世界各地で出てきてもおかしくない状態です。

いわばイタチごっこの恐ろしい状態になっていますが、変異株に左右されないワクチンや治療法は確立で3きないのでしょうか。