オミクロン「XE系統」

オミクロン「XE系統」を国内で初確認 米から入国 新型コロナ

厚生労働省は11日、新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、複数の派生型が組み合わさった「XE系統」の感染者が国内で初めて確認されたと発表した。

 

厚労省によると、感染が確認されたのは3月26日に米国から入国した30代女性。

入国の際、成田空港の検査で陽性と判明し、国立感染症研究所ゲノム解析で確認された。入国時の女性は無症状で、すでに待機期間を終えたという。

ファイザー社製のワクチンを2回接種していた。

 

XE系統はオミクロン株の派生型「BA・1」と、「BA・2」の遺伝情報が混ざったウイルス。

両方に同時に感染した人の体内で、ウイルスの遺伝子の組み換えが起きてできたとみられる。

感染研によると、英イングランドでは、BA・2派生型に比べて感染者が増えるスピードが12・6%高いとの報告があるという。

毎日新聞 2022.4.11)

 

 

オミクロン株 XEとは イギリスなどで報告 今わかっていること(2202.4.8)

https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220408a.html

新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、複数のタイプが組み合わさった「XE」と呼ばれるタイプのウイルスが、イギリスなどで報告されている。

また、国内の検疫でも初めて確認された。

感染の広がりやすさなどははっきり分かっておらず、専門家は注目して監視する必要があるとしながらも、基本的な対策は変わらないとしている。

 

「XE」イギリスなどで報告

新型コロナウイルスは世界中で広がる中で変化を繰り返していて、1人の人が複数のタイプに感染することで遺伝子の組み換えが起き、複数のウイルスの特徴を持った新たな変異ウイルスができることがある。

 

「XE」と呼ばれるウイルスは、オミクロン株のうち、「第6波」で広がった「BA.1」というタイプと、より感染力が高いとされる「BA.2」が組み合わさったタイプだ。

ウイルスの表面にあり、人の細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質を含むほとんどの部分が「BA.2」、ほかの部分が「BA.1」となっている。

 

WHOは「XE」をオミクロン株の一種としていて、イギリスの保健当局の資料によると、イギリスで2022年1月19日に最初に報告されて以降、4月5日までに1179件報告されている。

小規模のクラスターも報告されているが、解析が行われたウイルス全体に占める割合は1%未満となっている。

 

3月30日までのデータに基づいて、数理モデルを使った解析を行った結果、「XE」の感染が広がるスピードは「BA.2」よりも12.6%速いと試算されたとしている。

 

イギリスでも広がっている状況ではなく、重症度の関連についてもよくわかっていない。今後の感染拡大の状況をしっかり見ていくことと、検疫で見つかるウイルスのゲノム解析を続ける必要がある。

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ほかにも「XD」「XF」

複数のウイルスが組み合わさったウイルスはほかにもあり、このうち「XD」と「XF」は、去年夏の「第5波」で広がったデルタ株と、オミクロン株のうち、「BA.1」というタイプが組み合わさったタイプだ。

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「XD」

スパイクたんぱく質の部分が「BA.1」、それ以外のほとんどがデルタ株となっていて、イギリスの保健当局の資料によると、最初に検出されたのは2021年12月13日で、2022年3月22日の時点でフランスで40件、デンマークで8件、ベルギーで1件、報告されている。WHOは、「XD」を感染力や感染した際の重症度、ワクチンの効果などに対する影響の度合いがはっきり分からない、「VUM」=監視下の変異株に位置づけているが、感染の広がりは限定的だとしてる。

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「XF」

スパイクたんぱく質を含めた大部分が「BA.1」で、一部がデルタ株となっている。

イギリスの保健当局は、2022年1月7日以降、イギリスで39件見つかっているものの2月14日以降報告はなく、感染の広がりは見られていないとしている。

 

新たな変異 どう向き合う

WHOは、複数のウイルスが組み合わさるなどして、新たな変異ウイルスが生まれるリスクは今も高く、ウイルスの遺伝子を解析して、データを共有することは引き続き欠かせないとしている。

 

2つの株の組み合わせは「想定内」

いわゆる組みかえ体と言われるもので、同じ人が同時に2つの株に感染した場合、その中で起こり得る。

これまでも例えばアルファ株とデルタ株が合わさった組みかえ体といったものも出てきたが、それは特に世界に広がることはなかった。

オミクロンについてもデルタ株との組みかえ体、デルタクロンと呼ばれたこともあり、今もそれは存在している。

オミクロン株においてはBA1とBA2があれば、同時に感染してそれによって発生する株も出てくるだろうということは想定の中にある。

全く予想もしなかった変異のあるウイルスではない。

 

感染の広がりや重症度見ていく必要

こういったものが、きちんとゲノム解析の中で見つかって、今一部の地域で増えている。特に今イギリスなどは熱心にゲノム検索しているので、特定されている。

ただ、どこまでBA.1やBA.2に置き換わり、 さらに凌駕するようなものになるかどうかはまだまだよくわからない。

今後、どういうふうに広がり得るのか、重症度や入院者が増えるのか増えないのかといったことを見ていくための情報共有が、いま世界中に出されているような状態で、 過剰に恐れるといったところは今のところはないと考えられる。 

 

基本的な対策変わらない

BA.2においては、すでに感染の広がりやすさというのは、当初のいわゆる野生株のものよりも非常に高くなってることが分かっている。

ただ、今まで感染しなかったような場所で感染するわけではなく、基本的に話をしたり食事をしたり、人が集まり、こういったところでの感染の広がりといったところになる。 

BA.2よりも感染が広がりやすいということだが、速度として、まだ分からないが、急激に置き換わるというより、置き換わるとしても徐々に徐々にといったところではないかと考えられる。 

イギリスでも、まだBA.2が主流だ。

 XE株であっても基本的な日常の対策は変わりなく、3回目のワクチン接種を引き続き進めてほしいという方針も変わらない。