コロナ感染者数、週1回の発表、初回は19日 「注意報」などなく

コロナ感染者数、週1回の発表、初回は19日 「注意報」などなく

毎日の増減はつかめず 

・コロナが季節性インフルエンザ並みの「5類」に移行され、感染者数の発表方法が変わる。

・まず、国や自治体による毎日の公表がなくなり、指定した医療機関の「定点把握」に移行する。

しかも頻度は毎週1回(金曜日)で、1週間分の発表となる。

初回は5月8~14日分が厚生労働省のホームページ(HP)で19日に公表される。

毎日の増減はつかめないので、数字の丁寧な分析が必要になる。

コメント;

全国約5000の「定点医療機関」のみ集計になるため、「全数把握」と違って感染患者数も少なくなります。

週1回であっても感染患者数が正確なものであればいいのですが、当然第8派との比較などはできなくなります。

今までの流行と比較をするために補正をかけるにしても、係数をどのように見つけるのでしょうか。

当院では5月7日に2人、8日に5人の陽性者が出ました。

7日の感染者数はHERSYSに登録手続きを行いました。

しかるに8日の分は登録不要で、今後当院の発生者数は登録不要、言い換えれば登録できなくなってしまいました。

発熱外来を行っている医師は「コロナに向き合っている」という自負があります。

感染患者数の登録など、それほど面倒などとも思っていません。

むしろ、疎外感さえ覚えます。

居住している市の「定点医療機関」を調べようとしましたが、具体的な医療機関名を探すことができませんでした。

実際、積極的に「発熱外来」に取り組んでいない医療機関が「定点医療機関」に選ばれているようなことがあれば茶番です。

 

インフルの手法を用い、定点把握

・定点把握の方法は季節性インフルエンザと同様に行うこととなっている。

全国約5000の「定点医療機関」が月~日曜日の患者数を年代や性別ごとに保健所に報告している。

このデータから、患者数の実数と1医療機関当たりの患者数を全国と都道府県別で示す。

医療機関からは、翌週火曜日に同省に報告があるため、各自治体は国より一足早い公表もできる。

 

「注意報」などの指標はなく

・同じ5類のインフルでは流行レベルを示す指標として1医療機関当たりの患者数が10人以上で「注意報」、30人以上で「警報」が発令される。

一方、新型コロナはインフルと違って季節を問わずに流行を繰り返し、過去の蓄積データも乏しいため現時点ではこうした指標を設けない。

・ただし、目安として「第8波」となった昨年10月以降の1医療機関当たりの患者数と比べられるようにグラフで示す。

また再流行の兆しをとらえるため、献血血液を活用した抗体保有率調査や、下水に含まれるウイルス量から感染動向を推定する研究を続ける。

 

死亡者数 死因別は5カ月後

・死亡者数の毎日の公表もなくなり、市区町村が死亡届などから作成する国の「人口動態統計」を用いて集計する。

しかし、総死亡者数の把握に2カ月かかり、詳しい死因別の公表は5カ月後になる。

より早く感染動向をつかむため、中核市や東京23区など一部の自治体の協力を得て、先行して死亡者の総数を1カ月をめどに集計する。

そのうえで例年の水準からどれだけ増えたかを見る「超過死亡」を把握して役立てる。

・死亡者の定義は、これまで感染が確認された全員が対象だったが、死亡診断書に医師が死因として記した場合に限られる。

 

重症者は毎週金曜日に

・病床の逼迫状況を把握するための「入院者数」「重症者数」は、移行後も全医療機関からの報告を受けて毎週金曜日に公表する。

初回は19日で、一定期間後に定点把握に変更する。

変異株の発生を把握するゲノム解析は、目標数を4分の1程度に減らして継続する。

・「まずは医療を希望する人に提供できる態勢を整えることが最も重要。感染者の数値に一喜一憂する状況ではなくなった。それが、5類移行の意味だ、再び感染拡大の局面になれば状況次第で対応を検討したい」と厚労省の担当者は説明する。

毎日新聞 2023.5.8 一部改変)