「満腹」かつ「早食い」が肥満のもと

日本人を対象にした研究がBMJ誌に掲載  「満腹」かつ「早食い」が肥満のもと

食事を満腹になるまで食べ、かつ、早食いの習慣がある人は、そうでない人に比べて、
肥満(BMIが25以上)の人が3倍以上多いことが、日本人を対象とする調査で明らかに
なった。
阪大公衆衛生学教授の磯博康氏らのグループによる研究で、BMJ誌電子版に2008年10月
21日に発表された。

磯氏らは、秋田県井川町および大阪府八尾市に住む30~69歳の男女、計3287人に、
「おなかいっぱいになるまで食べる」かどうか、および「早食い」であるかどうかを尋
ねた。
その結果、男性(計1122人、平均年齢55.3歳)では「非満腹かつ非早食い」352人、
「満腹かつ非早食い」258人、「非満腹かつ早食い」199人、「満腹かつ早食い」313人。
女性(計2165人、平均年齢52.4歳)では「非満腹かつ非早食い」668人、「満腹かつ非
早食い」712人、「非満腹かつ早食い」232人、「満腹かつ早食い」553人だった。

年齢、喫煙習慣、運動習慣、職業、カロリー・食物繊維・アルコールの摂取量、および
地域を変数として、多変量解析を行ったところ、男女共に、「満腹」や「早食い」の人は
そうでない人に比べて、肥満のオッズ比が高かった。
「非満腹かつ非早食い」の人を基準とした場合のオッズ比は、男性では、「満腹かつ非
早食い」では1.61(95%信頼区間1.11-2.32)、「非満腹かつ早食い」では1.42
(0.96-2.11)、「満腹かつ早食い」では3.13(2.20-4.45)。女性の場合、「満腹かつ
非早食い」では1.48(1.10-1.98)、「非満腹かつ早食い」では1.47(0.99-2.17)、
「満腹かつ早食い」では3.21(2.41-4.29)に上った。
また、「満腹かつ早食い」では、「満腹のみ」と「早食いのみ」を足し合わせたよりも、
さらにオッズ比が高まっていた。

磯氏は今回の結果について、「単に摂取するカロリーが消費するカロリーより多いから
太るというだけでなく、“おなかいっぱい食べる”ことや“早食い”という食習慣自体が、
何らかのメカニズムで肥満につながっている可能性がある」と話している。

出典 NM online 2008. 10. 24
版権 日経BP

<関連サイト>
Pop Life In The Paisley Park
http://blogs.yahoo.co.jp/ssseki724/45692049.html


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