来春(2009年)の花粉予測

来春の花粉、飛散時期1~2週間早く 環境省予測

環境省は22日、来春のスギ、ヒノキの花粉飛散量の予測(速報)を発表した。
今夏の気象条件と今冬の花芽の現地調査などから、今春に比べて関東、東北
地方では同じかやや少なく、東海、北陸から九州地方にかけては多くなると
予測した。
飛散の開始時期は、暖冬が見込まれるため1~2週間早まるとみている。

地域別では、大阪や京都を始め近畿、中国、四国の多くの地域で今春の2~3
倍に増加。
甲信、北陸、東北では今春並みだが、青森や福井など一部で増える。
関東の多くでは半分から今春並み。東京は1割、千葉は4割少ないが、
神奈川では2割ほど多くなるという。

ただし、スギ花粉の少ない北海道やスギの生えない沖縄を除く全地域で、
発症の目安となる1平方センチメートル当たり千個を超す飛散量が予測される
ため、早めの花粉症予防対策が必要だとしている。
環境省は、対策をまとめたマニュアルのほか、2月初旬からは実際の飛散状況
をウェブサイトなどで提供する。
イメージ 1

http://www.asahi.com/national/update/1222/TKY200812220320.html
出典 ashi.com 2008.12.23
版権 朝日新聞社

<番外編>

ウェザーニューズ、来春の全国・各エリアの「スギ花粉」飛散傾向を発表

来春の花粉は、前年より「量は多い」エリアが多く「時期は同じか遅め」
全国の会員からの雄花リポートで、全国12エリアごとの傾向も発表

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)
は、2009年の花粉シーズンにおける全国および、各エリアの“スギ花粉”傾向
を、発表しました。
本発表は、花粉症に悩む方に、シーズンの花粉傾向を知ってもらい早めの対策
を取ってもらうことを目的に行います。

【来春の飛散量の傾向】
スギ花粉の雄花は、前年の夏の日照時間が長く、気温が高いと多く作られ、気温
が低いと少なくなります。
2008年の6月は西~東日本では梅雨前線の影響で、曇りや雨の日が多かった
ものの、7月~8月は高気圧に覆われて晴れる日が多くなりました。
ただゲリラ雷雨に代表されるように、局地的な強雨が特徴的な夏でした。
北日本は、6月は晴れる日が多かったですが、7月~8月は前線の影響を受け、
曇りや雨の日が多くなりました。
8月下旬には、前線の影響もあり、全国的に低温と大雨になりました。
花粉のもととなる雄花の生産量は、一般的に7月の日照時間・気温・降水量を
もとに予想しますが、最近の調査では6月~9月の天候との相関が高いことが
わかってきています。そのため、ウェザーニューズでは6月~9月の日照時間・
最高気温・降水量を気象の基礎データとして傾向を発表しています。

その中でも日照時間は雄花生産量と関係が深いことがわかっていますが、これ
光合成によって生産量が多くなるためだと思われます。また雄花の生産量と
気象要素(日照時間・最高気温・降水量)、更に雄花の生産時期の関係は地域
によって違いがあると考えられます。
よって来春の飛散量は、昨シーズン同様、標高・地域差が比較的少ない日照
時間に注目し、次に最高気温・降水量を重視して予測を立てています。
また、多く飛散した翌年は飛散が少なくなったり(裏年)、少ない年の翌年は
多くなったり(表年)と交互に増減する傾向があります。
更に、実際に雄花を観察していただいているウェザーリポーターの報告による
と、雄花がしっかり成長しているリポートが数多く届いています。
これらを総合的に考慮して、西~東日本では、昨シーズンと同等か上回るほど
の飛散になるところが多いと予想しています。
また、北日本では昨シーズンと比較して、少ないところが多くなりそうです。

【来春の飛散時期傾向】
今年は断続的に流れ込んできている寒気の影響によりスギの雄花の休眠は十分
に行われると考えられます。
また1月~2月は寒気の影響で冬らしい寒さとなりますが、2月の終わりには
次第にそのピークは過ぎていきそうです。
3月に入ると一気に春めいて西~東日本では花粉飛散のピークに突入すると
思われます。
よって来春の花粉飛散の開始時期は、早く飛散開始した昨シーズンと比較する
と、同等かやや遅いくらいの飛散になるところが多くなりそうです。

【全国各地の雄花の状態】
携帯サイト「ウェザーニュース」には、「サポーター」と呼ばれる有料会員が
160万人がおり、サポーターからは天気などに関する様々なリポートが日々
寄せられています。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=207997&lindID=5
出典 NIKKEI NET 2008.12.17
版権 日経新聞
(上記ホームアドレスをクリックすると図表などを詳しくみることができます)

環境問題と間違い情報
最近うわさが消えたが、セイタカアワダチソウが花粉症の原因だと騒がれた
ことがあった。
「そんなことは絶対にない」と私たちは言い続けてきたが、マスコミがでっち
あげてしまった。私たちは「これは情報公害だ」と言い続けてきた。「30年
もすればこんな話も消えちゃうよ」と言った通りになりつつある。
 
この話はキョウチクトウが花粉症の元凶だと新聞で騒がれたのが事の発端で
あった。
私はキョウチクトウの育種の仕事をしていたから、紅白2品種に花粉がない
ことを知っていた。
抗原抗体反応をやった医師に尋ねたら、花粉がないから葯を使ったと言う
のには驚いた。キョウチクトウの栄養細胞にはオレアンドリンや、その他の
毒性配糖体が含まれているから、陽性反応が出るのは当たり前である。
私たちに指摘された医師はセイタカアワダチソウに目をつけたのだが、
これはスギやヒノキのような風媒花ではないから大量に飛ばない。
にもかかわらず新聞記者がまた騒いだのである。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139247-storytopic-13.html
出典 琉球新報 2008.12.22
版権 琉球新報社

アレルギー発症の鍵となる仕組み解明 信大大学院

花粉症や気管支ぜんそくなどさまざまなアレルギー反応が始まる時に鍵となる
仕組みを、信大大学院医学系研究科(松本市)の瀧伸介教授(免疫制御学)、
肥田重明助教(同)らの研究グループが解明し、22日付の米免疫学専門誌
ネイチャー・イムノロジー(電子版)に発表した。

同研究科の菅根一男教授(感染防御学)らとの共同研究。
アレルギーは生活環境の変化などに伴って広がっており、対症療法を中心に
治療が行われているが、反応開始の仕組みは不明だった。
アレルギー反応が始まる最初の仕組みが分かったことで、予防法開発につな
がることが期待される。

アレルギー症状が現れるまでには、リンパ球の一種「2型ヘルパーT細胞
(Th2細胞)」が司令塔の役割を果たしている。
最近の研究で、白血球の一種「好塩基球」が作るインターロイキン4
(IL-4)という物質がTh2細胞を増やすことが分かってきたが、
IL-4が作られる仕組みは不明だった。

瀧教授らは、花粉などの抗原が侵入すると作られるIL-3という物質に
注目。
さまざまなタイプの遺伝子改変マウスから好塩基球を取り出してIL-3で
刺激したところ、「FcRγ(ガンマ)」という分子の遺伝子を働かないよう
にした好塩基球はIL-4を作らなかった。

詳しく調べた結果、IL-3が好塩基球表面にある受容体と結合すると、
好塩基球に細胞分裂を促す信号を出すと同時に、受容体に付いている
FcRγが「ポイント切り替え器のような働き」(瀧教授)をして、IL-4
の生産も促すことが分かった=図参照。

FcRγは、いったん始まったアレルギー反応が悪化していく過程にかかわる
ことが既に分かっている。
FcRγの働きを止めることができれば、アレルギー反応開始と悪化の両方を
防げる可能性がある。
瀧教授は「今後は、好塩基球内に信号が入った後の情報伝達の経路などを詳
しく調べたい」と話している。
http://www.shinmai.co.jp/news/20081222/KT081219LSI090001000022.htm
出典 信毎新聞 2008.12.22
版権 信毎新聞社