よく噛むこと

■「ゆっくり食べ 少量で満腹」「太っている人は、食べるのが早い」。
こんな印象通り、よくかまずに早食いすることは、確かに肥満の原因になるらしい。

■東京歯科大とライオン歯科衛生研究所は、肥満と食習慣の関連を共同研究している。
それによると、大人も子供も早食いの人ほど、また、よくかまない人ほど肥満の傾向が強いことがわかった。

■研究では意外にも、夜食やおやつ、遅い夕食など、「いつ食べるか」は肥満との明確な関連が見られず、「いかに食べるか」の重要性がはっきりと浮かび上がってきた。

■多くかむ人の特徴は、食事時間が長い一方、食事量は少ないこと。
これは、食べ物を良くかむほど脳の満腹中枢が刺激されて、
食欲が抑えられるためだ。
早食いの人は、満腹感を感じる前に大量に食べてしまいがちになる。

■研究グループが、健康な男性を50回以上かむ多咀嚼(そしゃく)と通常の咀嚼に分けて、満腹になるまでおにぎりを食べてもらったところ、多咀嚼は528グラム、通常の咀嚼は693グラムで、多咀嚼のほうが確かに少ない量で満腹になった。

■しかも多咀嚼のほうが上昇が穏やかで、インスリンを分泌するすい臓に優しい。
インスリン分泌は年齢とともに衰えて、糖尿病の原因になるため、若いときからインスリンを節約する食事は糖尿病を予防し、健康長寿につながる。

早食い防止法
①かむ回数を増やす
②一口の量を減らす
③呑み込んでから次の食べ物を口に入れる
④水分と一緒に流し込まない
⑤ゆっくりと、唾液を混ぜ合わせる
⑥歯ごたえがある食材を選ぶ
⑦野菜はゆで過ぎず、大きめに切る
⑧品数を増やし、外食では定食を選ぶ
⑨時々、箸を置く
⑩二人以上で食べて会話を楽しむ

出典 読売新聞 2008.12.11