花粉症 2009.3.8

「花粉症」真っ盛りです。
当院にもそんな患者さんが来院されます。
中にはこの時期だけに来院される方もみえますので、1年ぶりの来院ということ
になります。
何だか懐かしい気持ちでつい療養指導が疎(おろそ)かになり、本人の近況や
家族の話などになったりしてしまいます。

今日の朝刊にこんな記事が載っていました。


#花粉症の運転手 「薬飲み仕事」9割  ネット調査 眠気など経験
花粉症を患うタクシーやバスなどの運転手の多くは眠気や集中力低下など薬の
弊害を認識しているものの、薬を飲んで仕事をしている人が9割に上ることが、
医療関係者らでつくる任意団体「インペアード・パフォーマンス・ゼロプロ
ジェクト」のインターネット調査で分かった。
薬の使用に特別注意しているのは3人に1人だった。

調査は昨年12月、花粉症で薬を服用している全国の職業ドライバーを対象
に実施、309人から回答を得た。

薬の弊害(複数回答)では、「眠気・だるさ」は50.5%、「集中力・
判断力の低下」は36.2%が経験。薬を飲んだ状態で仕事をする人は92.9
%だった。

服用に注意を払っているのは32.7%で、具体的には「眠くならない薬を
処方してもらう」「寝る前に飲む」など。 
出典 日経新聞・朝刊 2009.3.8
版権 日経新聞

<コメント>
ちょっとこわい話です。
こういった花粉症の薬は、いわゆる抗アレルギー剤は眠気は大なり小なり起
きます。
そして個人差が多いのも特徴で、眠気が少ないといわれる薬でも眠くなって
しまう方もみえるのです。


<追加編>
#花粉症薬の落とし穴 眠気だけでなかった… 思わぬ“脳力”低下
くしゃみ、鼻水、鼻づまり。アレルギー症状に苦しむ人は多く、ドラッグストアの
店頭には花粉症対策の薬が並ぶ。
だが、よく使われる抗ヒスタミン薬は効果が高い一方、眠気だけでなく気付かぬ
うちに集中力や判断力の低下をまねき、仕事や勉強に影響することがある。

#花粉症治療の落とし穴とは-。 
花粉症などのアレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜にアレルギーの原因になる異物が接触
ヒスタミンが過剰に分泌されることで起きる。
症状改善のため広く処方されるのがヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬だが、
副作用もあるという。
 
東北大大学院教授(医学系研究科機能薬理学分野)の谷内一彦さんは「抗ヒスタ
ミン薬は一九四〇年代につくられたが、いい薬で即効性が高い。
ただ、鼻の粘膜だけでなく脳の方にも効いてしまう。脳を活発にする脳内ヒスタミン
の働きを抑制し、脳の働きを低下させる」と話す。
 
脳に移行する抗ヒスタミン薬は、中枢抑制作用があるため眠くなったりだるさを
感じたりする。
だが、気を付けたいのは、こうした自覚症状がなく知らず知らずに集中力や判断力、
作業能率が低下する「インペアード・パフォーマンス」だと、谷内さんは指摘する。
 
インペアードは「正常な機能が損なわれた」の意味で、インペアード・パフォー
マンスは「気付きにくい能力ダウン」。
本人だけでなく周囲も気付きにくい。

ウイスキー3杯
谷内さんの研究では健康な人に抗ヒスタミン薬二種類とプラセボ(有効成分を含
まず、治療効果がないもの。
薬効や安全性のデータを治験薬と比較するため使われる)の計三種類を飲ませ、
運転コースでランプの点灯に合わせブレーキを踏む実験を実施。
このうち、インペアードをきたすことが既に確認されている抗ヒスタミン薬は
ブレーキ反応時間を延ばし、その程度はシングルウイスキーを三杯飲んだのと
同じぐらいだった。
 
インペアードをきたさないとされるもう一つの薬は、プラセボとの速さに有意な
差はなかった。
実験の結果、抗ヒスタミン薬にもインペアードをきたしやすい薬ときたしにくい
薬があることが分かった。
ただ、谷内さんは「医師や薬剤師にもインペアードは浸透していない。一般の人
はなおさら知らない」と説明する。

インペアードは、自動車の運転や飛行機の操縦を職業にする人の事故につながる。
仕事や勉強、車の運転、スポーツといった日常生活にも支障がある。
花粉症の時期は受験シーズンと重なり、受験生への影響も大きい。
 
労働災害リスク
プロジェクトメンバーで、花粉症治療と労働生産性への影響について研究した
小林慎さんは「スギ花粉症に悩む人の割合はこの十年で一・六倍に増え、三・七人
に一人が花粉症患者。労働生産性低下による損失額は約二千四百億円になる」
と説明。
「抗ヒスタミン薬服用による労働災害発生のリスクは、抗うつ薬や麻酔性の成分を
含む薬より高い」と指摘する。

谷内さんと小林さんは「抗ヒスタミン薬には中枢を抑制するものとしないものが
ある。
医師にインペアードをきたしにくい薬を処方してもらうことが重要」と話す。

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<コメント>
個人的な話で恐縮です。
随分昔のことになりますが、大学受験の際、風邪を引いてしまい開業医をしていた
父に風邪薬を処方されました。
非常に眠くなる薬で、試験も惨憺たるものでした。

これから受験される方も気をつけて下さい。


<花粉症 関連サイト>
さすがに多くの方が関心をもつ「花粉症」。
実に数多くのサイトがあり、まさに選り取りみどりです。

厚生労働省:花粉症特集
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun.html
花粉症Q&A集(平成21年花粉症対策用)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/ippan-qa.html
はじめに ~花粉症の疫学と治療 そしてセルフケア~
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/ookubo.html
花粉症の民間医療について
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/okamoto.html
スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/sugikafun.html


あなたの地域は大丈夫?花粉症対策&飛散情報 2009 -healthクリック
http://www.health.ne.jp/data/pollen2009/

慈恵医大耳鼻科の花粉症のページ
http://www.tky.3web.ne.jp/~imaitoru/

花粉対策 - All About
http://allabout.co.jp/special/kafun/

今年の花粉を乗り切る!対策ノウハウ&飛散予報配信中!:@nifty花粉情報
http://www.google.co.jp/search?q=花粉症&hl=ja&tab=nw

hi-hoヘップチン花粉症特集
http://kafun-info.hi-ho.ne.jp/


スッキリ!みんなの花粉症ガイド
http://www.kafun-guide.com/

環境省花粉情報サイト
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/
環境省厚労省で個別に花粉情報を発信する必要があるのでしょうか。
縦割り行政の大いなる無駄を感じます。)


あつまれ!花粉症の仲間たち
http://www.cocokarada.jp/season/kafun/


<関連マイブログ>
花粉症と食品
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/30015442.html